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プラネタリウム

東京スカイツリーに行ってきた。
スカイツリーは2012年に完成したらしい。
もう12年も前のことになる。
12年も前のことになるというのに、俺はスカイツリーに行ったことがなかった。
「登った」と表現しないのは、今回も結局登らなかったからだ。
登っても良かったのだが、実は東京タワーには何度も登ったことがあり、登ってからの雰囲気は大体想像がついた。
登ってみての違いを体感するのも手ではあったが、ホームページなどを見てもあまりに東京タワーと大差がなかった。
それに3000円払うのはどうにも気が引けた。「いろんな初体験をしてみたい」という大前提を加味しても、降りてきて後悔している自分が目に浮かんだ。そんなわけで、スカイツリーの展望台はまた気持ちが昂った時にでも行ってみようと思う。

そういうことで、ずっと行こうと思っていたスカイツリーおよびソラマチ周辺を散策したわけなのだが、スカイツリーの7Fにプラネタリウムがあるのを発見した。
俺はプラネタリウムにも行ったことがなかった。
ちょうど展望台に登るはずの3000円が浮いたので、せっかくならこちらを初体験しようと考えた。
(ちなみにスカイツリーおよびソラマチも初体験だったが、スカイツリーであるということ以外はごく一般的な複合施設でしかなかったので、割愛させてもらう)

そもそもプラネタリウムのシステム自体よく知らなかったのだけれど、ひとつのプラネタリウムに対していろいろなプログラムが用意されていることに驚いた
プラネタリウムって、機械で星を投影しながら、ちょっとした星トリビアみたいな音声が流れるだけのものだと思っていた。
アロマの香りを楽しみながらアラブの星空を体感できる「ヒーリングアラビアンナイト」だとか、バイきんぐ小峠さんやYOUさんのナレーションと共に笑いも交えながらちょっとHなプラネタリウムを楽しめる「オトナプラネタリウム」など。
本当は井浦新さんのナレーションと共に日本の有名な3つの"星地"を旅する「星地巡礼」に一番心惹かれたのだけれど、映画館みたいにシアターが何個もあるわけではなくて、1回の上映時間にどれか一個のプログラムしか上映しておらず、その後予定もあったので、すぐに入れる「ヒーリングアラビアンナイト」に入ってみることにした。

結論から言うと、プラネタリウム自体は普通に想像を下回ったなといったところ。
なんというか、席についてプログラムが始まって、天井に映し出される星を見た時「結構電気だな」という感想が一番だった。
もっと星空を擬似体験できると思っていた。だけどプラネタリウムの星は、あくまでも電気の灯りでしかなかった

ただし、またプラネタリウムに行ってみたいかと問われれば俺は行ってみたいと答える

なぜなら、席選びをミスったからである。
俺は極度の人混み嫌いで映画館なんかも混んでいる時間帯、混んでいる曜日には絶対に行かないのだが、今回のプラネタリウムは飛び込みだったこともあり、オンラインで座席の確認をすることも叶わなかった。
(ちなみに平日ではあったが、学生が春休みに入っていたので、当日はそれなりに混んでいた)
受付の女性に「なるべく周りに人がいない席でお願いします」とお伝えしたところ、「一番奥の端ですと流石に見えにくいので、右側後列中腹部の端をお取りしますね」と言っていただき、その席に座ることとなった。
しかしながら、プラネタリウムで天井スクリーンの端が視界に入ってしまうのは猛烈に冷める。冷める上に、没入感があまりにも薄い
視界が天井スクリーンで埋め尽くされた席でプラネタリウムを見たら、さぞ没入感がすごいことだろう。
そうしたら、プラネタリウムへの評価も変わるかもしれない。

また「ヒーリングアラビアンナイト」という40分のプログラムも、とてもちょうど良かった。
俺が想像していたようにただ星トリビアを流しながら、星空を眺めているだけでは多分10分くらいで飽きてしまうだろう。
前方スクリーンでUAEの街並みや砂漠を投影しつつ、ちょっとしたアラビアントリビアを森崎ウィン氏が聞かせてくれる。
そして、頃合いを見ては場内が真っ暗になり、星が映し出される。
このテンポ感が非常にちょうど良くて「ヒーリング」と銘打つだけあってとても落ち着ける時間だった。

なので他の施設ではどんなプログラムが上映されているのか?だとか、プラネタリウムそのもののクオリティに差があるのか?だとか、リクライニングがフルフラットになる場所とかもあるのか?とか、そういうことがすごく気になっている。
ちなみに今回行ったスカイツリーのリクライニングシートは、リクライニングが固定されないタイプのもので、身体を起こすと背もたれまで一緒に戻ってきてしまうのに加え、リクライニングもそんなにしないので、40分後まあまあ首が痛くなった。
心は落ち着いたが、身体はダメージを受けた。

良くなかった点としては、場内が静かな時「ウィーーーーーーーーン」という音が場内に鳴り響いていて、これがプラネタリウムの機械から発されているものなのか「ヒーリング」のためのアロマを発生させている機械から発されているものなのかよくわからなかったのだけど、仮にプラネタリウムの機械から発されているものだとしたら、近くの席の人はたまったもんじゃないなと思ったりした。

それから料金設定も40分1900円というのは、映画と比べると決して安いとは言えないなと思う。
スクリーンの映像なんかも映画に比べてしまうとどうしても見劣りする。
さらに先ほど「リクライニングがフルフラットになる場所はあるのか?」と書いたが、実は今回行った「コニカミノルタプラネタリウム天空」にも完全に寝そべれるフラット席というのが存在することはするのだ。
だけど最大2名使えて4800円。
気になってる女の子と行くならまあ…という値段だ。
一人利用でも値段は変わらないので、2時間の映画を観るならまだしも40分のプラネタリウムに4800円はよほど好きじゃなければ出さないだろう。
そんな感じで、コスパの面で疑問符が付く気もするが、映画のように頻繁に足を運ぶ場所でもないので、たまにはこういうのもアリかなあという印象だった。

ということで、プラネタリウム初体験は「想像以下だったが、今度はもっといい席で別の場所にも行ってみたい」という結論にてお開き。

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