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TVの映像が我が身に!

トン、トン、トン。
「開けるわね。」
ガチャ。

「大丈夫ですか?」
「わかりますか?」
その声をきいて本当に心の底からホッとした。



当時、私は下北沢駅から徒歩15分くらいの目の前に「北沢川緑道の桜並木」がある閑静な住宅地のアパートの2階に住んでいた。
都内の一人暮らしを心配する母に「敷地内に大家さんが住んでいるので何かと安心だから」ということから渋々許しを得ていた。


それは11月の祭日の明け方に突然始まった。
激しい吐き気で目が覚め、トイレに駆け込む。
吐きおえて、まだもやもやしながらもベッドにもぐり込む。

どれ位たったかわからないが、
また激しい吐き気で目が覚めトイレへ。

その後もベッド、トイレ
トイレ、ベッドを
繰り返し、吐き気だけでなく下痢も伴いトイレから出ることができなくなってしまった。

トイレの合間をみて私の自宅を知っている親しい友人に電話をするも、祭日ということもあり電話はつながらない。
学生の一人暮らしで、常備薬の用意などなくポカリスエットのような経口補水液もなく、意識も次第にぼんやり。
「このままではヤバいかも。」
「日曜当番医を教えてもらうしかない。」と大家さんに電話。

「食中毒かしらね?」
「大丈夫よ。わかったわ。当番医を探してみるわ。」
あー、大家さん。
心強い。



ほどなくして
(ピーポー ピーポー)
救急車の音がしてアパートの前で止まる。



トン、トン、トン。
「開けるわね。」
ガチャ。

「大丈夫ですか?」
「わかりますか?」と救急隊の方が2人入ってきた。
そう、当番医ではなく救急車が大家さんによって手配されたのだ。


オレンジ色の毛布を頭からかぶせられ
前後を救急隊員さんに挟まれ、背負われながら狭いアパートの外階段を下りていく。
音もなく回り続ける赤色灯に照らし出される野次馬の人たち。

これはまさしくTVの映像で見る場面。

『いま、救護者が救急隊員によって運び出されます。』
『意識はある模様です。』
といったリポーターの声がいまにも聞こえてきそうな場面そのもです。

「救急車に乗る。」

人生初体験の救急搬送。
搬送先はすぐ近くの東邦大学医療センター大橋病院(当時は東邦大学付属大橋病院だったと記憶している)。

すぐに点滴が施され、病院についたという安堵感、ちゃんと眠れていなかったことと薬により即座に爆睡。
一度、検温をしたようにも思うが目が覚めた時には、心配そうに枕元に座る母と兄の姿があった。

大家さんは実家にもすぐさま連絡をいれてくれたらしい。

目が覚めた私が、どうやら無事であること
その日が、日曜日で検査等の結果は明日以降になることなどを話し
兄の仕事の都合もあるので、その足で大家さんの自宅にお礼に行って群馬に帰るとのことだった。

翌日の月曜日に母が実家から持ってきてくれたパジャマや下着に着替え、諸々の検査を受けることに。

その日の午後には、学校を休むことを連絡した友達から聞いたと当時付き合いはじめたばかりの彼が病室にお見舞いに。

吐きまくった挙句に顔も洗ってないすっぴん。
実家に置いてきていた着古したイケてない下着とパジャマ。
(ここは下着は見えないのでどうでもよいのですが・・・笑)

突然、訪れた彼にいちばん見られたくない姿をさらすことになってしまった私は、ほぼ目を合わすこともせず10分足らずで面会終了。
(付き合いはじめじゃなかったら即、別れが待っていたな。付き合いはじめって、どんな姿であれ愛しいものだから・・)
失礼。話しが横道にそれてしまいました。


検査の結果、最終的に下された病名は「急性胃腸炎」
原因は『牡蠣』


入院する前日の金曜日の夜、友達と台湾料理のお店で食事。
台湾人のオーナーが作ったという自家製のオイスターソースをたっぷり使った台湾料理に舌鼓を打ったことを思い出す。
『牡蠣』そのものは一切、口にしてなかったがエキスが濃縮された自家製のオイスターソースにやられてしまったらしいです。


出産すると体質変わるから・・
そばアレルギーで体験済な私は懲りずに
その後、二度ほど『牡蠣』にトライするも二度とも撃沈。
たった一口でも数時間後には吐くという事態に。
それ以来、自ら『牡蠣』を口にすることはやめました。


が、しかし、昨年の仕事仲間の懇親会で最後に食した鍋。
若手の気が利く女子に取り合分けてもらった海鮮鍋で、どこかに牡蠣がはいっていたのか(私の器にはアサリしか入ってなかったですが)スープを飲んだだけで数時間後、目が腫れて妖怪が再び現れました
すぐに抗アレルギー剤を飲んだので妖怪は退散しましたが

アレルギーって本当に怖い。



私のアレルギー第二弾でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。


次のアレルギーについてはまた次回。


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