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映画「夏時間」感想
2019年、韓国。
監督/ユン・ダンビ
出演/チェ・ジョンウン パク・スンジュンほか
以下、公式サイトから紹介文を引用。
「夏休みのある日、10代の少女オクジュは、父が事業に失敗したため、弟ドンジュと父と共に広い庭のある祖父の家に引っ越したが、そこに母親の姿はなかった。弟は新しい環境にすぐ馴染んだが、オクジュは居心地の悪さを感じている。そこに離婚寸前の叔母まで住みつき始め、一つ屋根の下に三世代が集まり、オクジュにとって、自分と家族の在り方を考えざるを得ない、夏の日々が始まった。オクジュが家と祖父に親しみを覚えるようになった頃、祖父が病気になってしまう...。」
紹介文にある、住みつき始めた“離婚寸前の叔母”にしろ、寡黙な祖父にしろ、要領は悪いが優しい父親にしろ、登場人物は温厚で良い人たちばかり。それでも思春期の子どもっていうのは、" 大人は分かってくれない”とばかりに、ついイライラしちゃうもの。思い出すなあ、なんて自分の子ども時代を懐かしんだりしていました。
いい味を出していたのが、小さな弟ドンジュ。素直で優しく、時にはおどけて一家のムードメーカーにもなる。ピリピリしがちなお姉ちゃんと対比的に描かれることでバランスがうまくとれています。
どこにでもいる一家の、何気ない日常。それでも少女の心は、上へ下へと大きく動く。抑えていたものが溢れだした時、カタルシスの涙がどっとほとばしる。きょとんとする家族。まあ、一緒に動揺する家族よりは、きょとんとする彼らのほうがまだいいのではないかしら、と私は思います。
きょとんとしつつも、家族としてしっかり彼女を抱きかかえる意思さえあれば。
家族といえど、しょせん、全てを理解することなど叶わない他者なのですから。