キボリノコンノ展に行ってきました

先日、キボリノコンノ展に行って来た。

キボリノコンノさんといえば木材で美味しそうなものを作る魔術師である。
半分に割って伸びるチーズトーストとか、カステラとかお寿司とか、とんでもなくリアルで、羽鳥的「本当にこれ木なの?」という独り言を言わせる選手権トップランカーだ。
いや本当にすごいんですよ。

TwitterやInstagramで見かける度に「すごいなあ」とその技術力に感動していたのだけれど、丁度東京での個展が十月二十四日までということで、その前に行ってみることにしたのである。

電車に揺られること一時間ちょっと。
私は東京駅に降り立った。
普段は引きこもりの極みである私、東京駅に降り立ったのは人生で初。
看板を見ながら半泣きで探しました八重洲北口。

東京駅はね、本当に広い。
そして誘惑もいっぱいである。
「東京駅限定」が当たり前のように売られている。
お菓子とか駅弁とかね。
すっごく美味しそうだったから、敢えて目を逸らして歩いた。
目が合ったら誘惑に勝てる自信がなかった。
ショーケースの中も、呼び込みの店員さんが掲げるおすすめ商品のプレートも、全部無視。

ようやく誘惑を振り切って大丸東京に入ったらこれまた美味しそうなお菓子屋さんが勢ぞろい。
「テレビで見たことあるやつ」がいっぱい並んでた。
私は早足でエスカレーターを目指した。
心の中で朝御飯をちゃんと食べてこなかった自分を責めた。
「お腹が空いていなければここまで辛い戦いにならなかったかもしれないでしょ」。
一方、心の中の私も「電車に長い時間乗るし、遠出するんだからいっぱい食べたり飲んだりしたらトイレに行きたくなるでしょ。そう計画したのは自分でしょ」と反論をする。
両者一歩も譲らず頭の中を散らかしたまま、私はエスカレーターで11階へ向かった。

途中でΩとかフランクミューラーのショップを見て「お金持ちのお店!」と勝手に慄いた。
大丸東京店、エスカレーターで見ただけでも、お洒落の塊のようなお店ばかりでした。

そして念願の催事場、「キボリノコンノ展」の看板を見てほっとした。
辿り着くだけで勝手に満身創痍だった。
意気揚々とお金を払い、入場し、この目で見たかった諸々を見た。
スマートフォン撮影は可だったので、写真もいっぱい撮った。
私が特に好きなのは溶けた氷。
これ家に欲しい。
そんでずっとすりすりなでなでしていたい。

木彫り作品もすごいんだけど、「来た人を楽しませよう」っていう意思を感じられて勝手に感動した。
実際楽しかったもんね。
頑張って行って良かった。

お土産に木製ストラップ(中身はシークレット)と木製クリアファイルを買って弾む足取りでお洒落の塊から脱出し、誘惑と戦って岐路に着いたのである。

ただ一つ悔やまれるのは、最初に入り口で綺麗なお姉さんに「よければ出口にまめだいふくスタンプがありますので押してくださいね」と渡されたポストカードにまめだいふくを押し忘れて帰って来てしまったこと。
敗因は田舎者だと思われたくなくて澄まして展覧会を見て回った自分の愚かさである。
もしも当時の私に声を掛けられるとしたら「誰もあなたのことなんて見てないから、ちゃんと周りを見なさい」だ。
キョロキョロしたっていいんだよ。そのための展示だよ。あああーって感じである。

ということでもし検討している方がいらしたら是非行った方がいいと思いますレポでした。
現場からは以上です。

ちなみにストラップはたこ焼きでした。
可愛いが過ぎる。

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