かかしガチ勢

鹿児島に帰省するとき、大体一日は父と一緒に観光をする。

鹿児島が発着点なので、大体宮崎熊本鹿児島県内くらいの範囲。
色々見どころがあって楽しいし、美味しいものもいっぱいあって助かる。
海も山もあるからね。
観光し放題。

観光地に向かうまでの間、見渡す限り田んぼ、もしくは畑の道も結構通る。
私と父が好む観光地は結構自然のど真ん中だからね。
道、一本しかありませんみたいなことも結構ある。
見晴らし最高だよね。

で、そういうとこにはかかしがあるわけ。
農作物を守るために、結構かかし、立ってるわけ。

かかしってちゃんと見たことある?

ルーツは鹿児島だけど東京生まれ埼玉育ちの私のイメージとしては、かかしってこう、麦わら帽子で、顔はへのへのもへじで、身体は十字の木材、手はすかすか軍手のイメージだったの。
ザ・かかし。
テンプレートかかしのイメージ。

でも、実際ちゃんとかかしが仕事をしているであろうところのかかしは、普通に人。
おばあちゃんが座ってるのかと思うと大体かかし。
背中丸めて座ってるみたいなのね。
洋服も帽子も身体の厚みとかも、ちゃんと人。
最初見たときは具合悪くて座ってるのかと思って心配した。
で、父にそう言って笑われた。
「あれはかかしだよ」って。

車を近くに停めて、近くまで行ったけど本当にかかし。
今にも立ち上がって歩き出しそうなのに、人間じゃなかった。

私が見たのは昼だけどさ。
夜は怖いだろうなあと思ったよ。
人かそうじゃないか判断がつかないんだもん。
暗闇なんか特にだよね。
動かなきゃ動かないで怖いし、動いたらそれはもはや事件なんだけどさ。

人間が騙されるくらいのクオリティじゃないと、動物も騙せないんだろうね。
とかいって実は私なんかより動物の方が賢くて、「あれは動かない」って冷静に判断してたりしてね。
勝てる自信全然ないね。
私の目、完全に節穴だよね。
見晴らしのいい道路で、本気で間違えたからね。

というエピソードをふと思い出したので書いてみた。
かかしさんには今日もどこかで善良な旅人ごと騙してて欲しい。
そしてそんな精度の高いかかしを作る農家さんのことを応援したい。
普段は気付かない誰かの努力見つけるの、楽しいよねっていうお話。

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