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【小話】働き方改革②
今まで仕事ばかりで家にいる時間が短かったが、残業が減ったので妻といる時間が増えた。
今まで共有出来なかった時間を少しでも分かち合う事で、理解を深めようと決意した。
残業代は減ったが、それは仕方がない。
金を犠牲にしてでも、家庭に目を向けるべきタイミングだったのだ。
ところが、妻は俺の給料が減った分、パートに出る事になった。
夫婦だし、支え合っていくべきだ。
それは仕方がない。
しかし、俺が家にいればいるほど、妻の機嫌が悪くなる。
少しでもと思い皿を洗えば汚れが落ちていないと洗い直され、洗濯物を畳めばそうじゃないと畳み直される。
なるほど家庭というものは、妻のルールで成り立っているのか。
見ている限り、効率が悪く改善の余地がかなりある。
忙しいとイライラするのなら、見直せるところは見直すべきだ。
俺は言った。
「家庭内にも改革が必要だな」
すると妻は言った。
「家庭内に改革が必要ならば、いっそ崩壊させた方が手っ取り早い」
妻の思考は0か100だった。
離婚届をちらつかされ、俺は残業を減らすために精神を削って仕事をし、家でも神経をすり減らして妻の機嫌をとっている。
離婚届に判を押した方が楽なのか否か。
最近もっぱらそればかり考えている。
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