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不本意ですが、蜘蛛と同居しています

ここ三日ほど、朝、蜘蛛を見るんですよ。

黒い小さいので、調べたら害はないらしいんですけど。

朝の蜘蛛は殺しちゃいけないって言うじゃないですか。
だからこう、見て見ぬふりをするわけですよ。
虫が全般的に駄目なもので、接触したら殺すか逃げるかしか選択肢はないんです。

チリトリで上手に外に逃がすなんて、無理よ。
だって怖いんだもん。
言葉も通じない、お互いに分かり合えない存在なのですから、平和的解決は不可能に近いんです。

なのでまあ朝のうちは放置して、夜倒そうと誓うわけですよ。
仕事に行ったり行かなかったりして、しばらく蜘蛛の出没スポットには近付かず、夜になって意を決して討伐に向かうと、もうそこに蜘蛛はいないわけですよ。

「きっとどこかの隙間から逃げてくれたんだ」とほっとするじゃないですか。
無益な戦闘を避けられた安堵感。
こっちだって、無駄に命を散らしたくはないんだから。
そっちが私のナワバリを荒らすから、強硬手段に出ようとしてるだけなんだから。

そして翌朝、何故か昨日と同じ場所に蜘蛛がいるんですよねえ。

昨日の夜探したときはいなかったのに。
結構真剣に探したのに、見つけられなかったのに。
何か知らんけど、戻って来てるわけですよ。

で、また夜に探すといない。
この繰り返しで三日経ちました。

なんなんですかねあいつ。
弄ばれている気がしてならないんですけど。

うちには猫様がいるんですけど、うちの猫様完全に野生を失っているもので、勝手に戦闘とかはしないんですね。

彼女はどれだけ小さくて自分の方が有利でも、飼い主が動かしている猫じゃらし系のもの以外には手を出さないんです。
一ミリもない蟻とか、歩いてるのじーっと見てるだけ。
絶対に手を出さず「いるよ」と飼い主に処分を命じるのが常なので、見ていない隙に蜘蛛を倒すことはないと思うんですよ。

現に蜘蛛は毎朝私の目の前に現れますからね。
飼い主不在の間に戦闘を行った形跡は皆無なわけですよ。
なんなら朝、「いるよ」と教えてくれるわけですよ。
彼女の視線の先に蜘蛛はいる。
しかし彼女の可愛いお手々はぺしっとパンチをお見舞いすることはない。

もういい加減仕留めたいと思ってます。
共存は本意ではありません。
猫様は「可愛い」という家賃を払い続けてくれていますが、蜘蛛はいうなれば不法占拠者なので、退去勧告を出したい。

でもなんか、こう、縁起が悪いと言われると踏み切れない。
なんか悪いことあったときに「あのとき朝蜘蛛を処分したから……」って後悔したくない。

かといって「住み心地最高!」と思われて繁殖でもされちゃったらと思うと目も当てられません。

ベランダに近い場所に出るので、恐らくサッシの隙間から入ってきたんだと思うんですよね。
本当にさっさと「ドキッ! 気になるアイツと同居生活!?」みたいなちょっと古いサブタイトル撤収したい。
本当に心臓に悪い。
急に動かないで欲しい。
せめて私の視界に入らないで欲しい。

ということで今日は「私にとっては大事だけど、世間様にとってはどうでもいい悩み」のカミングアウト。
毎日一生懸命生きています。
近日中に悩みを解決出来るよう、頑張りたい所存です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回以降もお付き合いいただけると嬉しいです。
それではー。

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