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企業厚生年金のiDeCoへの移換手続き

日本の年金制度の3階建てとなっていて、
・1階部分:国民年金(全国民が加入する公的年金制度)
・2階部分:厚生年金(会社員、公務員の公的年金制度)
・3階部分:企業年金(会社員の私的年金制度)
という構造になっています。(りそな銀行のページより)

企業年金には、企業厚生年金や確定給付企業年金などがあり、私の会社がおこなっていたのは前者の企業厚生年金です。会社が基金を設立して、厚生年金の一部を使って運用して資金を作るものですが、バブル崩壊等の影響で利回りが悪くなり行き詰まってしまい(代行部分の返上というような説明を聞いたような聞いていないような)、確定拠出年金を取り入れたということだったはずです。(これまた何度も説明会が開催されていた記憶…)

ですので、元々あった企業厚生年金とその後に用意された企業型確定拠出年金と、双方の資産があったわけです。まったく意識していなかったので状況の把握に時間がかかりました。働いている間にしっかり把握しておけばよかったです。

退職後の企業厚生年金の選択肢

企業厚生年金は、退職する際に
(1)脱退一時金としてもらう
(2)企業通算年金としてもらう
(3)個人型確定拠出年金(iDeCo)からもらう
(4)転職の場合には再就職先に移管する
という選択肢から選んで、受け取り方を決める必要があります。

脱退一時金としてもらう場合には、退職所得としての控除はありますが、退職所得税の支払い対象となります。試算したところ、資産総額の割りにかなりの税金を払うことになってしまうので、ためらわれました。せっかく老後のために貯まっているものを、いま動かして税金払うのもなんだかなぁ。

企業通算年金としてもらう場合には、脱退一時金相当額を年金原資として企業年金連合会に移して運用された後、将来65歳以降に年金給付を受けることができます。利率は移換時の年齢に応じて決まっていて、45歳以上55歳未満の場合は1.25%とのこと。申し出の期限は、退職日の翌日から1年を経過する日までなので、私の場合には2021年3月31日です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)からもらう場合には、iDeCo口座の開設後、所定の書面で移換する必要があります。iDeCoに移りますので、運用は自分次第で、年金給付は60歳からです。脱退後1年以内の移換申し出が必要なので、こちらも2021年3月31日です。

再就職の予定はまだ立っていないので、それ以外の選択肢で考えた場合、
・退職所得税をこれ以上増やしたくない
・もともとの用途(老後の資金)として運用して受け取りたい
ということから、(3)個人型確定拠出年金(iDeCo)からもらうこととして、手続きすることにしました。

移換のために何をしたらいいのか

退職前に窓口に行って、どの選択肢を選ぶかお伝えしました。その際にはなんとなく「iDeCoができた後に書類で申請してください」ぐらいの口頭説明で、詳しくは教えてもらえませんでした。

理由はなんとなく、まずはiDeCoを作らないと進まないから=iDeCoに関する質問をされても困るから、ということなのだろうと思います。

退職後、お手紙が届きまして、個人型確定拠出年金への移換を選択した場合には、
・企業年金を脱退後1年以内に
・「移換申出書」を入手の上
基金へ提出すること、と書いてありました。

4月の頭、まだiDeCoの手続きも終わっていない中、入手と言われても…という感じでしたので、まず基金担当者に電話で問い合わせたところ、
「こちらでお渡しするものではなく、iDeCoを作った金融機関でもらってください」
とのことでした。

とはいえ、まだ申し込んだだけなので、どうしたらいいのかなぁと思って、忘れないようにだけして過ごしていて、ようやくiDeCoのIDとパスワードが届いたので、利用者サイトでQ&Aを調べてみたら、以下のような記載がありました。

Q.前職で加入していた企業年金(確定給付企業年金、厚生年金基金)の年金資産を個人型年金へ移換したいが、手続きはどうしたらいいですか?
A.「厚生年金基金・確定給付企業年金 移換申出書」という書類を受付金融機関よりお取り寄せのうえ、必要事項をご記入後、移換元の企業年金基金へご提出ください。その後、企業年金基金でお客様のご資産の移換可否が決定され、書類はお客様に返送されますので、返送された書類を受付金融機関にご提出ください。

iDeCoを開設したSBI証券のサイトで資料請求できる感じでもなさそうで、電話をかけてみました。

土曜日の朝、スムーズに電話は繋がりましたが、土日はiDeCo新規申し込みのみ問い合わせ対応しているとのこと。残念。平日にかけ直して、無事にようやく話が通じ、書類を送っていただけることになりました。よかったです。

「移換申出書」を受領した後、退職した会社の基金担当者に送って、返送してもらって、それをまたSBI証券に送って、といくつかやりとりが発生してしまいそうですが、期限には間に合うでしょう。一応ひと安心としておきます。

※2020-05-10追記:SBI証券に電話で書類を請求後、1週間ぐらいで書類を受領しました。内容(基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所)を記載して、職場に送付したのが5月7日。すぐに処理してくださったようで、5月9日に郵便で「移管可否決定通知書」を受領しました。これをSBI証券宛に送ります。

まとめ

企業年金のiDeCoへの移換手続き(何を考えればいいのか)は、以下の通りです。

1 . 自分が選べる選択肢の把握:企業年金の脱退一時金を受け取る方法の種類を把握して、いつどのように受け取ることができるのか確認しておく必要があります。

2 . 資産総額と選択肢によるメリットデメリットを把握:資産総額の把握と各選択肢を取った場合のメリットデメリットを確認します。資産の目的や受け取り時の税金、かかる手数料等から、自分に合った方法を選びます。

3 . (iDeCoに移す場合には)速やかに手続き:iDeCoを開設してから、開設した金融機関等に「移換申出書」を請求し、書面を退職した会社の企業年金担当者に提出して返送してもらう必要があります。その後、また金融機関に提出します。期限は脱退後1年以内です。

さて。iDeCoは開設というのが正しいのでしょうか。申し込み?利用?口座なのでしょうか?といったどうでもいいようなことが気になっていますが、何かの折に調べてみようと思います。

以上

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