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【帰ってきた】文系主婦によるひとり自然観察【6月】

私は東京都在住の主婦で、植物や虫が好きです。専門知識はありませんが、散歩や子供との外遊びの中で身近な自然に触れて楽しんでいます。でも実は、近所の遊び場でも、少し足を伸ばして大きめの公園へ行っても、同じような生き物にしか出会えないのを寂しく思ってもいました。しかしある日、家族で狭山公園を訪れて衝撃を受けました。入った瞬間から、ここには色んな生き物がいるのだということがひしひしと伝わってきたのです。その上、いつもそれなりに賑わっていて電車の音も聞こえるので、一人で森や山に入るときのような不安感もありません。しばらく歩き回って私は思いました。『ここに通って自然観察をしたい。とりあえず一年は誰の手も借りず一人で。』

第1回冒頭より

狭山公園で自然観察 第7回 2023年6月

2021年10月から1年間続けることを目標に始めた自然観察レポートですが、宣言通り昨年の10月に最終回を迎えました。2ヶ月に一度のペースで公園に通い、10月、12月、2月、4月、8月、10月の全6回レポートしました。お分かりかと思いますが、6月が抜けています。色々な事情で来園が叶わなかったのですが、どうにも落ち着かないので先月行ってきました!今後は別の自然公園のレポートをしたいと思っているので狭山公園の記事は今度こそ最後です。(もちろん今後も遊びには行きます!)

移動中に見つけたネジバナ

梅雨の中休み、とでも言うようにこの日は朝から晴れていました。「今日しかない!」と思った私は意気揚々と出発し、電車に乗りました。暑くなりそうだったので上着も持たず、半袖一枚で出てきたことを少し心配しながら窓の外を見ていると、急に暗くなってきました。そして、目的の一駅前に着いた途端、大粒の雨が降り出したのです。呆然としながら公園の最寄駅で降りたものの、雷まで鳴りだしました。私は今乗ってきた電車にまた乗り込んで帰ってしまおうかと思いました。(終点なので折り返すのです。)しかし今日を逃したら6月のレポートは難しくなってしまいます。

私は駅の出口へ向かって歩き出しました。すでに空は明るくなっていて、天気雨のような状態です。きっとすぐに雨は止むでしょう。公園に入ると上品な色合いのアジサイが出迎えてくれました。通り雨とはいえ、全然人がいません。いつもは遠足の子供たちや散歩中のお年寄りがけっこういるのですが、今はしんとしています。

林の中は木の葉が傘になって全然雨に当たりません。とりあえず上着がなくても大丈夫そうです。見上げると新緑が日の光に透けてとても綺麗でした。

小川の向こうが明るいです。川の両岸も優しい緑に包まれています。

木のウロに白くて小さなキノコがたくさん生えています。スマホ用マクロレンズで撮ってみました。

苔がびっしり生えた桜の木にとても小さなカタツムリを見つけました。こちらもマクロレンズで。

きれいな葉っぱだなあ、と写真を撮っていたらはらぺこあおむしが食べたような丸い穴が空いていました。

新芽もきれいです。明るいグリーンに癒されますね。これはハリエンジュでしょうか。名前の通り鋭そうなトゲが生えています。別名はニセアカシア。こちらの名前の方が馴染みがあるような気もします。

これは多分ツノマタタケですね。高さは1センチくらい。ラーメンが生えてきているみたいです。子供のときに遊んだ、ところてんのように突いて作る粘土のラーメンを思い出しました。

オカトラノオの花が咲き始めていました。なんて美しいのでしょう。規則的に並んだ花とつぼみにうっとりします。

マクロレンズで寄ってみます。純白ですね。卵形のつぼみも可愛いです。

もう少し咲くとこんな感じ。迫力が出てきました。全部咲くと壮観でしょうね。

オニヤンマです!かっこいい!ここがお気に入りのようで、何度飛び立っても戻ってきました。おかげでこんなに近くで撮ることができました。目の独特な青緑色が印象的です。

これはなんでしょう。変形菌ではなさそうだし、少し透明感があってプルッとしているのでキクラゲの仲間の幼菌な気がします。コガネニカワタケかハナビラタクリオキンあたりでしょうか。

苔に覆われた木の幹にぽこんとこぶができています。絵本にでも登場しそうな雰囲気ですね。

すっかり晴れてきました。雨に濡れたシダがきらきらと光っています。気温も上がり始めました。

セセリが日向の草に止まって休んでいました。日光のエネルギーを溜めてこれから活動するのでしょう。

車止めのポールに白い蛾がとまっていました。シャクガの仲間だと思うのですが名前まではわかりません。ちなみに私が今一番欲しい本は『くらべてわかる蛾1704種』です!夏の間に買ってしまいそう。

初夏の宅部池。いつ来てもここの景色は良いです。どこかからウシガエルの鳴き声がします。低くて不思議な声ですね。

シオカラトンボが高速で飛び回っていました。薄水色が素敵ですね。池の上の葉に止まったところをズームでなんとか納めました。

多摩湖を見ながらいつもの場所で昼食にします。日差しがすっかり強くなって暑いですが、風が吹くと多少は涼しいです。

おにぎりを食べながら、ふと気配を感じて足元を見るとニホントカゲの子供が!しっぽのメタリックブルーがきれいです。

日陰に鮮やかな黄色のユリが咲いていました。スカシユリの仲間でしょうか。

キマワリです。けっこうかっこいい甲虫だと思うのですが、足が長めで動きが素早いためか、闇の虫の雰囲気もあります。よく見かけるにしては名前を知られていない虫ですね。

キタテハがアカツメクサの花にとまっていました。キタテハって夏型と秋型で羽の色と形が違うらしいです。秋に見かけたら確認してみたいところです。

これは…マメザヤタケでしょうか。「死者の指」と呼ばれる黒いキノコの仲間のようです。初めて見ました。表面が白くなってしまっているのでおどろおどろしさはイマイチです。

どら焼きのようにふっくらして美味しそうなキノコを見つけました。ザ・キノコと言う感じの見た目ですね。シンプルすぎて調べようがなく、名前はわかりません。

ヤマボウシがたくさん実をつけていました。上に向かって伸びているのが面白いですね。赤く熟すと食べられます。

帰り際、名残惜しくて一度林の中に戻ってみました。するとなにやらなが〜いものが。

立派なアオダイショウです!そうっと近づいてみます。全然動きません。

お腹の一部が膨らんでいます。ネズミでも食べたのでしょうか。どうやらお腹いっぱいでぼんやりしているようです。通りがかった人の足音に驚いてゆっくりとその場を離れていきました。

大物に出会えて満足したので帰ることにします。多摩湖の取水塔は日本一美しいと言われているそうです。本当に素敵ですね。私も大好きです。
狭山公園は何度来ても気楽で楽しい場所です。レポートは今回で最後ですが、次は、いつの間にかすっかり虫好きになった娘と虫取りに来ようと思っています。お世話になりました!

今までの『文系主婦によるひとり自然観察』はマガジンにまとめてあります。ぜひご覧ください。

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