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2020年2月の記事一覧

通勤

イヤホンを外せない地下鉄のなか
膨れたストレスを抱えながら
向かいに座った人の顔すらまともに見られなくて開いた文芸誌の
その静止した文字だけが私の知り合い
車窓に映って闇に引きずられてるあれじゃなくて
手元のまっさらな行間を染めていくのが私

プレゼント

プレゼントを買う時。
その時の心には、相手のことをただただ好きだという実感が、さらさらと満ちてくる。

そして、それ以上に。
どうにも相手に好かれたいと、本当に、ただ素直に思う。

なにも取り繕えない。
無防備に開いた心と、それから身体。
カラフルな棚を縫い歩きながら、ただただ見返りを求めている。
君に好かれたい、君に好かれたい。

醜いはずなのに、あつくて、気持ちいい。
満ちた気持ちがちゃぷちゃ

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