シェア
遠く色彩のぬけた海を背景に、工業地帯のコンビナート、貨物船が斜陽に広がった景色のような作…
記憶にないけど「読みたい本」として登録してあったので図書館で手に取った。読み切ってはみた…
初版で読んだので再読。森元孝氏から「貴方は実は田中角栄という人物がすきなのではないのです…
偏差値75級の高校から京大へ。高校と違って学んでいる実感があるという。それでも目から鼻へ抜…
話題作で地元出身の作家、興味があり読んでみた。全体的に真夏の未明から早朝のような爽やかな…
子どもがろう児で日本手話が母語となるよう育ててきたので、ろう社会には多少の知識がある。ろ…
読了後、心が混沌としてなかなかまとまらない。「結局なところ」生きることはカオス。酸素の希薄な薄暗く影さえ消えた世界を彷徨うだけ。輝いていた17歳の夏、きみのふくらはぎに張りついた濡れた草の葉の句読点で終わる。それは遠い過去の記憶の中だけにあり、人はそれを滋養に生きていくのだ。1980年に「文學界」に掲載された「街と、その不確かな壁」。句読点のとれた本作は書き直しただけあり、作家の世界観が時間という観念を濾過して滲み漏れでた傑作。
「パッヘルヘブンのカノン」。 追いかけるように輪唱。家庭環境の違う二人の少女の物語が、そ…
もともと遅読な私ですが、さらにじっくりと時間をかけけて読みました。プロローグから胸が高ま…
70年のしめった夏が終わり、73年の乾いて冷めた秋にはなにも残っていない。想い出を遡ってもそ…
眠れない夜にふと思い出す遠い過去の友人に再会したような作品。全体にしめった夏の風のなかで…
ギャングエイジのルール(おきて)と無意味なこだわり。下品な”ファック動詞”でつながった友…
小説って読む歳によってこんなに味わいが変わるかってちょっとビックリしている。 -- 結局のと…
モザイク(ボックス)にぼやけた描写のなかでも「貧富」「知能」「機能」「身分」「時間」と明確に階層化された世界を、ゆれる光模様と心模様で描いたとても映像的なサイエンス・ファンタジー。「二人の計画」「向上処置」「クーティングズ・マシン」「遺伝子編集」「P-E-G9溶剤」など解釈を読者に依存させることでしらずしらずに物語の真ん中に引きずり込まれる。そして私たちは「心」の「ありか」をクララに学ぶことになる。