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「ただの自己満?」

私は53歳です。
私は自分の歩んできたこれまでの人生に満足しています。
だから、大事なわが子には、私のように人生を楽しんでほしいと思っています。ある日、「幸せだ」とはっきりと答えた私に息子が言いました。
「それってただの自己満じゃない?」と。

そうです、もちろん自己満です。...…っていうか、人生に対する満足って、自己満足しかないでしょう??自分自身で満足している、最高じゃないですか?!

ティーンエイジャーの息子は、「人生をどう生きるか」というテーマに悩み、私に幸せなのかと問うたんだと思います。分かります。私も昔、「好きなことだけして生きていいのだろうか」「人生で最も大事なことは何だろう」、そんなことを夜な夜な語り合ったものです。

「好きなことだけするのはよくないだろう」という風に、かつては話が流れていきました。自分が未だ出会っていない好きなことがあるかもしれないし、好きでなくても、やらねばならないことというものがあるだろう、と。
また、「人生で最も大事なもの」については、「愛」「夢」「信用」「自信」などが挙がったのを覚えています。20代前半くらいの頃はいつも、友人や先輩後輩たちとこんな抽象的な話ばかりしていて、そういう時間をとても有意義に感じていました。

「人生とはこういうものだ」と思う瞬間が私にはよくあります。
山登りをしている時です。
・足元ばかり見ていては道に迷う。
・適度な休憩は大切。わずかな休憩でも想像以上に回復し、また歩くことができるから。
・前を向いて懸命にがんばるのはいいけれど、たまには辺りを見回したり後ろを振り返ったほうがいい。素晴らしい景色が広がっているから。
・感性はもちろん大事だけれど、知識があると感動はより増す。
他にもあった気がするけど、今思いつくのはこれくらい。

私は登山が好きです。私が子どもたちに教えることができるのは山くらいかもしれないので、子どもたちが小さいころから山に連れて行きました。達成感を味合わせたいという目的もありました。自信というものは、あれもできた、これもやった、だから今度もできるだろう、そんな風についていくものだと思います。やりたいことがあるからチャレンジしたいと思える心を作るのは、親の役目として大事なことでしょう?

「せっかく登ったのにまた下るっ!!」「なんで山なんかに登らないといけないんだ!疲れる!」という不満を何度聞いたかわかりません。でも、登山は確実に気持ちがいいです。私の大好きな国・タイでは、楽しい(サヌック)より、心地よい(サバーイ)ことのほうが理想的な状態なんだと本で読んだことがあります。ぶーたら文句を言う息子たちにそんな小話をしながらなんとか歩を進めさせ、今日まで来ました。長男は高校で山岳部に入り、部長までやって、今は一緒に登山を楽しめるようになりましたので、私は単純に喜んでいます。

私の嫌いなゲームは「楽しい(サヌック)」で、
私の好きな登山は「心地いい(サバーイ)」ものだと信じています。




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