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刃物専門編集者の憂鬱 その13「え、オレが紹介するんすか!? 京都ナイフショー2024 編」

こんにちは。「編集者&ライターときどき作家」の服部夏生と申します。
肩書きそのままに、いろいろな仕事をさせていただいているのですが、ちょっと珍しい「刃物専門編集者」としての日々を、あれこれ書いていこうと思います。


『日本のカスタムナイフ年代記』が、24/02/22発売だよ

まずは宣伝から。今までホビージャパン刊行の本で掲載してきた記事をベースに、いくつかの新しいインタビューを加えて、大まかな物語になるよう構成した。
詳しくは、本に掲載しきれなかったエピソードとともに追って紹介させていただきたい。

お話を伺った方は順に井上 武、岡安一男、相田義人、相田義正、加藤清志、赤津孝夫の6人(敬称略)。

毎年出版しているカスタムナイフのムックに関しても、もうすぐ情報を出せるのでは、と思う。
しばしお待ちいただければ幸いである。


1月に開催された「京都ナイフショー」に行ってきた

さて、年明け最初のナイフショーといえば、京都市勧業館みやこめっせで開催される京都ナイフショーである。

最寄りの地下鉄の駅から徒歩10分くらいで着きます。

京都在住のナイフ作家・漆芸職人などの顔を持つ堀居賢司さんが主催している。
回を重ねるにつれて、集まる顔ぶれや並ぶ作品に独自性が出てきていて、安定した人気を獲得したショーである。

会場内は広くて過ごしやすい。

今年も1月20日に、開催されたショーで、写真を撮らせていただいた方々を撮影順に紹介していこう。


多彩な顔ぶれ、個性豊かな作品の数々


X: @SDTworks

トップバッターはご存知SDT-WORKS。代表の真坂洋之さんは、各地のショーに精力的に出展、確実にリピーターも獲得している様子がうかがえる。ナイフ作家としてあるべき姿の一例のように思う。


X: @iszknives

ISZ KNIVES石崎祐也さん。質実剛健を形にしたようなナイフに注目している人、多いと思う。鋼材も使い分け、実地で使った情報をフィードバックして理想の1本を目指す姿勢にも支持が集まっている。


X: @wanghan2143

王涵(Wang Han)さん。ナイフにとどまらず工芸品も手がける王さんが並べたのは切り出し。不世出の名工・千代鶴是秀の切り出しを連想させつつも、自分のスタイルでしっかりとまとめた意欲作の数々。


X : @TurutaMasahiko

靍田雅彦さん。2022年のJKGナイフコンテスト大賞受賞も記憶に新しいアウトドア&ハンティングナイフの名手。皆さんも機会があったらぜひ作品を手にしてもらいたい。握り心地抜群。よく考えられている。


HP

佐治打刃物も越前市から出展。鍛造ナイフの名人・佐治武士さん(左)とお孫さん。「全部売れちゃってねえ」とまさかのテーブル上には何もない状態!!


X: @kikuknives

KIKU KNIVES も出展。大勢の客がひっきりなしに来訪して、ブースもひときわ賑わっていた。主宰の松田菊男さんや昌之さんをはじめとする工房の皆さんに、姫路から山下刃物店の山下善啓さんも加わって撮影。


YUUKI KNIVES。一見そっけない刃物だが、手に取ってみると実用を考えてデザインされた精度の高さが感じられる。


HELLHOUND KNIVES。どれも丁寧かつ確かな技術な仕上げで、実用を意識して作品ならではの安定感を醸し出す。


X: @Raiya3desuyo

市川雷也さん。精緻な作りとスムーズなアクションが特徴の新進ナイフ作家。どの作品にも共通する曲線を効果的に使ったシルエットも相まって柔らかな雰囲気に好感が持てる。手間をかけたシースにも注目。


雅刀さん。ナイフ作家としてのキャリアは長い。運営に携わる「オールニッポンナイフショーは、2024年は3/2(土)、3(日)の2日間、神戸市のKIITOホールで開催される。このショーも見応え十分。


X:@kFG5MfQpjdQwuXC

主催の堀居賢司さん。チタンを使ったカトラリーなど、ユニークなアイデアとそれを具現化する技術が共存した作家。個人でショーを開催するバイタリティも。今後も続けていくつもりと力強く語ってくれた。


上田康正さん。個人的な話だが、昨年オールニッポンナイフショーでブースが隣り合った縁で分けていただいたペーパーナイフは、妻がデスク周りで愛用している。デザインと切れ味がいい具合に融合した作品。


越前武生の打刃物職人・鳩野憲志朗さん(左)と堀江漆工の堀江徳至さん(右)。真ん中に佐治武士さん。鳩野さんは刃物鍛冶として独立を果たした気鋭の作家。堀江さんとのコラボ作品を中心に展示した。


内田積さん。会社員時代から鍛造刃物を作り続けてきたベテラン。実際に愛用するユーザーも多い。内田さんのようにホビーとして楽しみながらメイキングを長く続けていくのもナイフ作家としての一つの在り方だろう。


佐々木潤さん。タクティカルスタイルのナイフからオーソドックスなフィッシングナイフまでバリエーション豊かな作品が特徴。手にしているには、包丁をベースにしたデザインで野外での調理に適した実用モデル。


藤原弘登さん。ハンンドル材に和のテイストを取り入れたナイフは、アウトドアでもひときわ映えそう。毎年11月開催で、長く続いているショー「広島カスタムナイフショー」の運営にも携わっているベテラン作家だ。


X: @gimitasu6969

杉田匠さん。ナイフメイキングのみならずレザークラフトや金属工作などを幅広く手掛けている。チャレンジ精神のある作品に注目!!

他にも素晴らしい作品を展示している方ばかりで、実に楽しいショーだった。
京都をはじめ、独自性を出しながら各地でナイフショーが開催されている現状は、とても贅沢なことだと思う。

皆さんもタイミング等が合えば、ぜひお近くの、あるいはちょっと足を伸ばしてナイフショーに足を運んでみていただきたい。
そこには必ず、新たな出会いがあって、新たな発見があって、素晴らしい邂逅があるはずだ。
皆が足を運べば、ナイフショーも続いて、作家さんも潤って、三方よしになるように思う。


京都に行ったら、街歩きは必須でしょう

ちなみに、現在、名古屋を拠点にしている筆者にとっては、京都は小旅行に最適の地でもある。

ショーの後は、京都在の古くからの友人と街歩きをした。

ネット販売はしてるけど、基本、ここでしか買えないんです。

京都に来た時は、ちょっと遠回りしてでも今熊野まで足を伸ばす。
ニシダやというお店にある「おらがむら漬け」が目当てである。
若い頃、私淑する方に教えてもらった。
そして僕が知る限り、一番美味しいと思うしば漬けである。
これを買い込んで、ご機嫌で名古屋に戻った次第である。

今熊野神社の大楠。
街外れの鴨川もいい感じ。


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