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中国武術の「気」の概念!!「不動智神妙録」による千手観音の解説

中国武術には、「気」という概念があります。

これは、門派(流派)や系統によって考え方が違います。


「気」に付いて

当流の考え方の1つとして、意識と動作の協調を、このような言葉を使って表す場合があります。

つまり、身体の全ての部位、動作に意識を通わせるという事です。

このような意識と動作の協調訓練は、当流では、中級者レベルから訓練を開始します。

そして、上級者では、無意識下において、意識と動作の協調を行います。

このような事を中国の武術では「虚」に還るなどの言葉で表したりします。

しかし、この時の意識は、身体にまんべんなくかよっていなければ、逆にバランスを崩す事になります。


「不動智神妙録」とは

日本の武術に「不動智神妙録」という伝書があります。

これは、厳密には日本の武術家が記したものではなく、日本の剣術で有名な「柳生新陰流」を家伝に持つ「柳生家」とゆかりの深い「沢庵和尚」が記した著です。

この著のなかで「千手観音」を例えに出して、上記の事を説明しています。


千手観音と意識


「千手観音」は、別名「千手千眼観世音菩薩」といい、千の腕に一つづつ眼があり、あらゆる方向を見渡す事が出来るそうです。

しかし、もし、決まった腕や眼のみに意識が偏った場合、あとの数百本の腕は、ただぶら下がっているだけの物体となります。

「千手観音」の優れている事は、千の腕や眼を持つ事ではなく、偏りなく使いこなすところにあります。

この「千手観音」の例えのように、身体の隅々にいたるまで、意識がかよい、運用する事は極めて難しい事ではないかと思います。



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