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2021/08/21 男社会で生きる女のキャラ設定②

私が職場で「~っす口調」を使うのは、男社会で生きる女のキャラ設定だった―。そのことに気づいた話を、前回、男社会で生きる女のキャラ設定①で書いた。今回は、なぜ、そうなったのか、考察していきたいと思う。

私は均等法第1世代より後輩に当たるので、配属された部署では、男性と同じ仕事をする女性としては、だいたい2人目か、3人目というポジションだった(補佐的な仕事をする事務の女性は以前からいた)。女性の職場進出にいい顔をしない男性上司がいて、「女なんていらねえんだよ~」「ホント、女って扱いにくいよなあ」と正面切って言われた。

男性上司の中には、新人の女性を、自分にあてがわれたホステスだと勘違いしている輩もいて、夜中のスナックにしつこく呼び出した挙げ句、セクハラをしてきた。取引先の中年男性からは、飲み会の席でチークダンスを強要されたこともある。

今、こんなことをすれば、即アウトだが、たかだが20年ぐらい前までは、日常茶飯事だった。「おばさん」と呼ばれる年代に差し掛かり、「若い女」の部類から卒業できた時は、ホッとしたものだった。

圧倒的男社会で生き抜くにはどうすればいいのか。セクハラの対象になるのを回避しつつ、浮気相手にも選ばれず、バカにされず、なおかつ「女性性」を意識させずに「仲間」として受け入れられるにはどうすればいいのか。生存戦略として考えたのが、「コワい体育会女子」というキャラ設定だった。

「~っす口調」は、そのキャラでいるための重要なアイテム。タメ口のように馴れ馴れしくはなく、かといって敬語のようによそよそしくもなく、絶妙な距離感を保てるからだ。

加えて、返事はハッキリと明快に、声は低くを心がけている。気分がアガると声が高くなりがちなので、要注意なのだけれど。「そうなんですかぁ~♥」みたいなぶりっ子口調は厳禁。職場にはたまにそういう女性がいるが、私のキャラには合わないと思う。なるべく感情的ではなく、抑揚をおさえて理性的に振る舞おうとしている。なかなか難しいけれど。

「体育会系女子」を演じるのは、なかなか心地いい。「地」の自分ともそんなにズレているわけではないし。何せ、「コワい」と思われていると、相手からも無碍なことはあまり言われない。仕事に集中すれば、一目置いてもらえる。

理想は、TBSラジオのニュース番組「森本毅郎・スタンバイ!」で活躍されているフリーアナウンサー遠藤泰子さんの声。滑舌が良く、明瞭な口跡は、とても77歳とは思えない。ちなみに共演の森本毅郎さんは、私の父と同い年。「両親」のようなおふたりの活力あふれる声を毎朝、「スタンバイ」を聞きながら、私も頑張ろうと気合いを入れている。

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