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2021/06/29 音の個人主義と「ASMR」

「耳」「聞」という言葉にゆかりが深いからなのか、五感の中でも聴覚には敏感な方だ。平たく言えば、音フェチである。ひいきの歌手や俳優も、声がポイントになっている。曲や詞は好きなのに、声がどうも苦手だという歌手もいる。

先日、読売新聞に「触れ合う食器、シトシト降る雨、耳かきの「響き」…生活の中の音 心安らぐ」という興味深い記事を見つけた。それによると、You Tube など動画投稿サイトには、まな板に包丁をトントンする音やビーバーがえさをカリカリ食べる音など、生活音などを配信する「ASMR」なるジャンルが静かな人気を呼んでいるという。「音」が幸せだった頃の記憶を想起させるからではないかと、その記事には書かれてあった。

「ASMR」とは、"Autonomous Sensory Meridian Response"の略で、直訳だと「自律感覚絶頂反応」。脳がゾクゾクするほど、聞くと心地よい音のことをいい、2010年に米国女性が名付けたという。巷では“アスマー”とか“アズマー”と呼ばれているらしい。

私も以前、2021/05/21 自宅で居酒屋に足りなかった音 で、雑音が心の安らぎを与えてくれていたと書いた。まさに「ASMR」の効果だったのだ。最近、自宅にいる時は、隣家からの騒音対策もあり、You Tubeで鳥のさえずりや水の流れる音をよく聴いている。散歩に出掛ける時も、イヤホンで音楽を聴くことは少ない。ベンチに腰をかけて、周囲の音に耳を澄ましている方が好きだからだ。

記事では、何の音を心地良いと感じるかは、個人差や文化の違いが大きいとして、注意を促していた。確かにその通りだ。私は、ソバをすする音や咀嚼音、舌打ち、甲高い女性の声などは苦手である。「ASMR」が流行するのも、スマホなどで個人的に音を楽しむ習慣があればこそなのだろう。



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