2021/08/25 肉体を通して「読む」「書く」

気になる人の愛読書が気になる。『魅せるひとの極意  愛読書に一流の哲学をみる!』(asta*編集部・編、ポプラ社)を読んでいる。

装丁がおしゃれだ。本棚のように白い本が並んでいる目次。余白部分の絶妙なバランス。各界の15人の愛読書が紹介されている。

蜷川幸雄さんはシェイクスピア『リア王』。自分のジャンルとは違う愛読書を挙げる人もいる中で、やっぱりな、という選書だった。どこまでも、この人は全身演出家だったのだと。

「頭で読むのではなく、肉体を通して読む」

登場人物たちの心情を、自分の内面と交差させることでしか、本を読めないとも、この本では語っている。

「書く」行為も同じような気がする。私はまず、手書きという自分の肉体を動かして文章を書かないと、浸透していかない。だから、全体構成と最初の段落だけは、必ず手書きすることにしている。

このnoteだけは、いきなりパソコンのキーボードで打っている。どんな文章になるのか、毎日見当もつかない。私にとっては、小さな実験なのである。

最近は、速読のような本の向き合い方しかしていない。文章が体になじんで、血肉となるような感覚は、随分とごぶさただ。今度、「肉体を通して読む」ことを試してみたいと思う。

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