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2021/07/23 東京五輪開幕、この空を憶えておく

「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和――」。1964年10月10日の東京オリンピック開会式の実況で、NHKアナウンサーは、その日の空をこう表現した。さて、2021年7月23日は、どのような言葉で刻まれることになるのだろう。

前日に一日中、横になっていたため、この日は午前4時頃に目が覚めた。6時過ぎに撮影した空が上の写真だ。夏空に灰色がかった雲が乗っかっている。まさに暗雲垂れ込めるといったところ。開会式前日に、今度はオリンピック・パラリンピック開閉会式の制作・演出チームを統括していた小林賢太郎氏が、お笑い芸人時代にユダヤ人大量虐殺を揶揄した台詞を使ったコントをしていたことから、解任される事態に。いっそのこと、開会式は選手入場、開会宣言、聖火点火だけに簡素化すべきだという要望を押し切って、予定通り、実施されるという。

五輪開幕を前に、日本の文化芸能の「ガラパゴス化」を、こんな形で世界中に露呈する羽目になるとは。エンタメを伝える仕事をしている一人として、忸怩たる思いだ。

小山田圭吾氏も小林賢太郎氏も、私と同世代である。作品自体への評価はともかく、人間性や知性の稚拙さは否めない。未成熟さがもてはやされるサブカルやエンタメの風潮と、どこか通底しているのではないか。

開会式は、テレビでじっくり見るつもりだ。ニッポン文化の現在地と、これからを見極めるためにも。

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