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族長による独裁~クランの維持と独裁性~

 同僚から薦められて『族長の秋』を読んだ。『族長の秋』は、コロンビアの小説家ガブリエル・ガルシア=マルケスによって書かれた小説であり、「独裁者小説の傑作」と呼ばれている。

 主人公の大統領によって築かれた長期政権が終わった。荒廃した大統領府に国民が押し入ると、横たわる死体が。。。大統領の悪行・奇行が、回想されていく。段落のない文章に大統領の素顔が、グロテスクに力強く、次々と描かれていく。毎日女をとっかえひっかえして性交し、信じされなくなった将軍をいとも容易く殺してしまう。悪行を働く裏では孤独感があるところに、独裁性を見出している小説といえる。

 一方、僕の所属しているWoTのクラン、「ウンバボ族」にも族長がいる。名をたかしと呼ぶ。ウンバボ族も彼の長期政権であるといえるが、『族長の秋』の独裁と比べるとどうであろうか。どんな人間に対しても寛容であり、所属するメンバーが自由に何でもさせてくれる。

 『族長の秋』では、他の国に支配されないように、自国の権利を売ることでなんとか国を維持している描写があるが、それは目先のことで、国力は徐々に衰えてきているのが分かる。そのうち国体がなくなってしまうことを危惧する。「ウンバボ族」では、メンバーが自由に動ける点において、国力は維持している。族長がWoTをしなくなったため、幹部の空洞化という見方もできるが、他の人が代替し、族長及びクランの名誉と尊厳を維持している。メンバーは、楽しい企画を計画したり、日々面白いことに挑戦したりしているということからも、幸福度は高いと評価できる。

 孤独な独裁は長く続かない、奇跡的に続いたとしてもそれはまやかしにすぎない。正しい独裁とは、カリスマ性があり、人から信頼され、人に信頼できる存在である。固執するがあまり、脆くも崩れ去ったクランは山ほどある。国も同じく多くの国民がおり、国民それぞれに違った顔がある。クランは一つのことを追い求めるものでもない。クランメンバーのそれぞれの顔を意識し、柔軟な受け皿であることが、長期政権を築けるコツである。

「ウンバボ族」よ、栄光あれ。

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