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【連載:実践ウェルビーイング】「いいこと」を三日坊主で終わらせないための科学_後編

始めることと、つづけること。どちらが難しいかといえば、後者かもしれません。健康に関わる良い習慣は、裏返しとして「生活習慣病」という言葉があるように、自分の意志や染みついたライフスタイルに阻まれることが少なくないでしょう。

だからこそ、「がんばろう」という精神論ではなく、科学の観点から「つづける力」について考えてみたいと思います。

「いいこと」を三日坊主で終わらせないための科学_前編はこちら

「小さく始めて、無理せずつづける」

ほんとうの習慣化

頭で考えていることを“心から”つづけたいと感じるようになり、ほんとうに習慣化していくために、コーチング理論の観点からのヒントもご紹介しておきます。

それは大きな目標や漠然とした望みを、小さなステップに刻むこと。確実に実行できる無理のないレベルで、きょうは(今週は、今月は~)〇〇を覚える、〇〇まで完了する、など。

私は「完了形をたくさん作っていく」、と表現しています。

ポイントはリワードシステム

どんな小さなステップでも、自分が望んでいることであれば、それが完了した際に相応の充足感が生まれてきます。それを何度か経験していくと、脳の報酬系回路(リワードシステム)が強化されます。

これは期待物質とか快楽物質と呼ばれるドーパミンという神経伝達物質が関わっています。

たとえば受験勉強をコツコツやって合格した経験は、社会人になってからの資格試験や他の目標に向けた行動にも役立つでしょう。「やれば、できる」の感覚が脳内で働くようになっているからです。こうしてモチベーションが維持できるようになります。

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意図的に…

すぐに飛躍的な結果が出るようなことではないからこそ、意図的に小さな結果を“わざと作り出す”工夫をお勧めします。

グーグル本社などでマインドフルネスを指導してきたマーク・レサー氏(前SIYLIのCEO)に、私は以前こんな質問をしました。

「マークさんは、必ず毎日、瞑想をされているのですか」

マークさんは次のように答えました。

「しているよ。どうしてもできないときは、一呼吸、でもね」

おそらくマークさんが“一呼吸”で瞑想を終えるのはレアなケースだと思いますが、これは「いいこと」を完全に人生の一部にするための貴重なヒントになります。

想像してください。

あなたがどんなに“簡単”だと思うことでも、それを一年、365日欠かさずに続けた12月31日のことを。

きっとそこには大きな完了形が生まれており、次のチャレンジが無理なくパワフルに現れているはずです。

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コラム著者:吉田 典生(よしだてんせい)

MBCC(マインドフルネス・ベースド・コーチ・キャンプ)ファウンダーMiLI(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート)理事MCC国際コーチ連盟マスター認定コーチ

関西大学社会学部卒業後、ビジネス誌や経営専門誌の編集記者を経て2000年に(有)ドリームコーチ・ドットコム設立。以降、経営層などビジネスリーダーのコーチ、組織コミュニケーションの再構築・改善を通して変容を支援するコンサルティングに従事。マインド・ビジョン・ロール・アクションという4つの最適化をデザインし、コーチングを十分に機能させる構造的なアプローチを展開。著書に10万部超のベストセラー『なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?』、出版当時Yahoo!新語時点に書名が掲載された『部下力~上司を動かす技術~』他多数。プロファイルズ社戦略ビジネスパートナー、BBT大学院オープンカレッジ講師、6seconds認定EQプラクティショナー、SEI EQアセッサー。

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