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第4回(起業編)開催レポート1月13日(土)/ワタシらしい”はたらく”を描くセミナー

1月13日(土)、鹿児島県男女共同参画センター主催「ワタシらしい“はたらく”を描くセミナー」(以下:セミナー)の起業編 第4回を開催しました。

全4回のセミナーも、今回がついに最終回。当日の様子をお届けします。

第4回のテーマは、「起業に必要なお金を考える」
大切だとわかっていても、なんとなく苦手意識がある…という方も多い、事業にまつわる「資金」についての基礎知識を得ながら、資金計画の考え方を学ぶことを目指しました。



チェックイン

まずはセミナーの企画運営・司会を務める株式会社スタジオグッドフラットの市村より前回の振り返りと、第4回の目的をお伝えしました。

そして、チェックインとして「2024年の目標」について周囲の席の方同士でシェアしました。昨年からスタートした本セミナーの経験を踏まえて、今年どうしていきたいかをお話しされた方も多く見受けられました。


ゲストレクチャー

続くゲストレクチャーでは、鹿児島銀行に勤めながら起業家としても複数の事業に携わっておられる「山内倫裕(やまうち ともひろ)さん」にお越しいただきました。

山内さんは、数々の起業をされてきたご自身の経験、さらに銀行員として磨いてこられた資金計画や事業計画を見る目を活かしながら、起業家育成支援もされてきました。

今回のセミナーテーマに身構えて参加されていた方もいたかもしれませんが、「お金への苦手意識を持っている人が多いのは当たり前!義務教育でも教わらなかったんだからね。今日のセミナーが、学ぶきっかけになれば。」という朗らかな山内さんの一言に、内心ホッとした方も、きっと多いのでは…?

それでは早速、レクチャーの内容を振り返ってみましょう。

まず、認識として「お金の話をするのはなんだか“汚い”…」というイメージがあるかもしれませんが、「お金とは、“ありがとう”の対価」なのだという話をしていただきました。お金をいただけるということは、自分の提供したサービスが世の中のためになっているという証で、決して悪いことではないと山内さんは仰っていました。

そして、銀行員としてサラリーマンをしながら複数の会社経営に携わるご自身の経験から、起業のコツは「2足のわらじを履くこと」だと教えていただきました。
次のようなメリット、デメリットはありますが、デメリットをカバーするためにも、24時間の時間の使い方を考え直してみることが大事だとお話しいただきました。

◆「2足のわらじを履く」メリット
・サラリーマンとしての既存の収入が残るので生活の保証がされる
・自分の生活費が確保されているため、自身の事業で強気の営業が可能(無理に安い価格で提供しなくて良い)
・自分の生活費が確保されているため、自身の事業で従業員の給与など処遇を厚くできる(良い人材を集めることができる)
・本業との相乗効果がある
・万一事業が失敗しても、撤退の判断が早くできる
・起業後の状況を見て脱サラを検討できる

◆「2足のわらじを履く」デメリット
・慣れるまで本業・事業・プライベートのスケジュール調整が大変
・睡眠時間が減る

山内さんいわく、起業にあたって大切なことは、「お金(経済)の観点を持ち、しっかり稼ぐための事業計画を作る」こと。

レクチャーで紹介いただいたデータによると、世界の優良企業500社をもとにしたデータで、企業の平均寿命は13年。新たに設立された会社・個人事業が、1年後に残っている確率は約72%、3年後では50%、5年後では40%、10年後には27%だといいます。

事業を進める上で「想定外」は必ず起こるため、細かなところまで計画を固めるというよりも、「軸」をしっかり定めて、何かあった際に柔軟に対応できるような計画作りがポイントだとお話しされていました。

山内さんによると、事業計画策定に必要なポイントはたった3つ。

1. 誰に、何を、いくらで提供するのか?
2. Who am I(自分がどういう人か、30秒で説明できる)
3. 値決め

このポイントを押さえていくための手法として、参考になる考え方(3C分析、STP、マーケティング4P、マイケルポーターの3つの基本戦略)を解説いただきながら、具体的なビジネスモデルの例をご紹介いただきました。

そして最後に「財務」の基礎知識として、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)の見方や、主な資金調達の種類(間接金融:銀行等、直接金融:出資金・投資家・VC・クラウドファンディング等)、助成金)について教えていただき、山内さんのレクチャーが終了しました。

質疑応答の時間には、「いろいろな事業をする時に、どうやってお客様を見つけているのか?」「事業が走り出した時に、資金計画を見直すとすればどこから見直せばよいか?」などの質問が挙がりました。


グループワークと全体共有

昼休憩をはさんで午後からは、グループごとに資金計画を検討するワークを行いました。

今回は、各々が個人で計画を作成するのではなく、各グループで1人代表者を決め、その方の事業についてグループメンバーで意見を出し合い、資金計画を考えていきました。

検討の際には、山内さんにご準備ただいた資金計画書のエクセル様式に沿って、「営業日数は?」「サービスメニューとその単価は?」「経費はどんなものが発生する?」「開業費用としてどんなものが、いくら必要?」など、具体的な数字を入力してみながら、1年後、2年後、3年後…に事業の収支がどうなっていくか、さまざまなケースについて試算しました。

そして約1時間半の後、代表1グループのものをスライドに映しながら、全体共有として内容を発表しました。

山内さんからは全体へのコメントとして、
「注意点として、エクセルで数字を触っていると、どんどん現実離れしてしまうケースもあるので、現実的に無理のない数値を入れていくことがポイント。」
「エクセルでいろいろシミュレーションしていくうちに、なんとなく“こうすればこうなる”という感覚がわかってくるようになる。」
などのアドバイスをいただきました。

そして最後には、「サラリーマンで老後に向けた2000万円を貯めるのは難しいが、事業をやって貯めるのは意外と簡単!何かやりたいなと思っているなら、ぜひ挑戦してほしい。小さな一歩が大事で、それさえ踏み出せば、あとはサポートしてくれる人がいる。」と山内さんから心強いエールを贈っていただきました。


チェックアウトと茶話会

セミナーの最後には、チェックアウトとして周囲の席の人同士で全体での振り返りを行いました。

これまで全4回のセミナーでどのような学び・発見があったか、何か変化があったかなど、ゆっくり振り返りながら感想共有する時間となりました。

セミナー終了後には、任意の茶話会も開催しました。

2023年10月からスタートしたセミナーも、これで全4回が終了となりました。1月27日(土)には、任意参加で、キャリアデザイン編も合同での交流会が開催予定です。参加者の皆さん、ぜひ楽しみにされてくださいね。

新年から痛ましいニュースが続く2024年ですが、セミナーにご参加いただいた皆さんの今年一年が前進の年になりますように。

ご参加いただいた皆さん、ゲストの山内さん、ありがとうございました!


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