脳みそからよくなんか出るはなし

会話しているとパッと我に返ることがある。一秒前とは明らかに違う、冷静な心が戻ってきて、じわじわと脳に血液がめぐるのがわかって、(またやっちゃった)と思う。

頭のどこかがカーッとなってる。「カーッと」というと、怒りの感情を想像するかもしれないけど、この「カーッと」は、喜怒哀楽の感情とは関連がない。激高してるわけでもなく、ただ雑談や、業務の説明を重ねているだけなのに、徐々に、徐々に、ボルテージが上がっていって、気がつくと、「カーッとなる」という表現がぴったりくるぐらい、話すことに全力を注いでいる。全身全霊で話している。我に返ったあと、バカみたいに脳みそが疲れて、胃の中も空っぽだ。なんだかすごく、一日をやりきった気さえする。

話をしていた相手を置いてきぼりにすることもあり、前々から、自分でも若干引いていたけれど、これはもう、なんだかはわからないけど、絶対に脳みそからなにか出ているんじゃないだろうか。ドーパミン的ななにか。難しい話であれば有るほどドバドバ出てるような気もするし、話の内容なんて関係ない気もする。「食べることがストレス解消になるのは、味が美味しいから癒やされる、満たされるのはもちろんのこと、のどごしが快感につながっているからだ」という話をどこかで聞いたことがあるのだが、私のおしゃべりも似たようなことかもしれない。喉を言葉が通り過ぎていく感覚がそのまま快感なのかも。

おしゃべりはエネルギーを持っていると思う。プラスだろうがマイナスだろうが、大きすぎる全身全霊の「おしゃべりエネルギー」を浴びる側はたまったものじゃないだろうな。相手を疲れさせているだろうなと思って、ふと我に返って黙ってみたりするのだが、それはそれで怖いと、今のところ不評だ。

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