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ウラジオストクの旅。

日本円を抜いて、かわりにみ見慣れない外国のお札を財布にいれる。
日本から持ってきたアーモンドチョコレートは、空港で写真を撮らせてもらった双子の少年たちにあげたので、この国のチョコレートを買った。

ロシアのウラジオストクにきた。ウラジオストクは美人が多く、イケメンも多い。

カメラを向けるとニコッと笑ってくれる、ロシアは初めてきたけど写真が撮りやすそうな国だとすぐにわかった。観光客以外でカメラを首からぶら下げている人は少いない、そういう国ほど写真が撮りやすかったりする。

そういうしていると、注文したアイスのカフェラテとミックスベリーのタルトがテーブルにおかれた。ぼくは英語がまったく話せないけど、ロシア人も英語は通じないので、困ることはない。スマホもwi-fiもあるし、だいたいなんとかなる。

海沿いの公園にきた、体調が悪い日に夢に出てきそうな遊園地もある。
平日のためなのかガラガラだ。家族づれや、恋人どうしや、高校生ぐらいのグループなどがすこしいて、お台場の雰囲気にどことなく似ている。

シベリア鉄道の終着点のウラジオストク駅にきた、駅のすぐ裏には港もある。
貨物船から日本の自動車がたくさんおりてくる。

自動車産業が盛んな日本に住んでいると、時代を自動車が表してくれるのを実感する。三丁目の夕陽の世界感だったり、バブル期の角張った自動車だったり、スポーツカーだったり。時代というのは街中の広告や自動車だったりする。

ウラジオストクの街を走っている自動車のほとんどが、10年落ちぐらいの日本の中古車ばかりだ。街並みは歴史あるヨーロッパという感じだけど、自動車がすこし古い日本車だらけなので不思議な感覚になる。

それでも現行モデルのレクサスやベンツなどの高級SUVも走っている。ぼくはロシアのワズという自動車を一時期購入を検討したほど好きなんだけど、滞在中に一度も見ることができなかった。

ウラジオストクは昼の時間が長い。成田空港から2時間ちょっとで到着するので、時差はほとんどないのだけど、陽の長さで時差ボケになる。21時でもまだ明るいので、ご飯をいったい何時に食べればいいのかよくわからない。

陽の長い国にロケでくると、ずーっと撮影させられてしまうのであまり好きではない。今回の旅もしっかりとした仕事なんだけど、かなり自由度の高い仕事だ。

国内外でぼくの好きな場所にいって、写真を撮って、感じたことを原稿にしてください。というボーナスステージに突入したような仕事だ。

好きな場所にいって、好きなものを食べて、好きな写真を撮る、それでお金までもらえるのだ。写真家になってよかった。

バスにのって市場にきた、バスは23ルーブルで乗れる。1ルーブルは1.7円ぐらいなんだけど、200ルーブルなら400円といった感じで表示されている金額の2倍で考えるとラクだ。

コーラは安いお店で60ルーブルぐらい、高いところだと100ルーブルぐらい。
日本とあまり変わらないかちょっと安いぐらい、でもロシア人の平均収入から考えると、ウラジオストクはとても物価が高い地域だとおもう。

イクラやカニなどの海産物や、チーズやバターなどの乳製品は日本よりも安くて美味しかった。

市場では空気銃も売っていた。おもちゃではなく、日本では所持許可が必要な銃だ。鴨とか鳩ぐらいなら簡単に仕留められる。弾の値段が安くてびっくりしたけど、銃本体の値段も安い。拳銃は6000円ほどで、ライフルが日本円で1万円程度で売っている。日本で同等の銃を新品で購入しようとすれば20万円ぐらいするんじゃないかな。

マトリョーシカの値段もめっちゃ安い。日本で買うと一万円近くするんだけど、ウラジオのお土産屋さんで買うと、1000円以下で買える。たくさん買ってメルカリに出品すれば稼げるかもしれない。生活に困ったらマトリョーシカの輸入販売をしようとおもう。

ようやく夜になった、昼間にいった海沿いの公園に行くと、仕事終わりの人などで賑わっていた。軍人さんや警察官など制服のままデートしている人もいる。きっと日本だったら問題になっちゃうんだろうな。

たくさんの人がたのしそうに遊んでいる。お酒を外で飲むのは違法らしく、酔っ払って騒いでいる人はいない。

レストランにはいると少しはなれたテーブルで歌が始まった。イケメン従業員が花火をもってせいだいに歌っている。誕生日なのか、結婚記念日なのかなにかを祝っている。数枚だけ写真をとってぼくも拍手をした。

なにを祝っていたかわからないけど、おめでとう。
知らない土地で、知らない人のしあわせを祝えるっていいことだ。

見ためとは裏腹にあまり美味しくない朝食をホテルで食べる。お土産がたくさんはいってすこし重くなったスーツケースをまとめて、タクシーで空港に向かう。

ホテルから空港まで1500ルーブルという話だったけど、空港に着いたら運転手に2000ルーブルを要求されたので、1500ルーブルとチップで100ルーブルを渡すと運転手は満足そうだった。

空港で出国準備をしていると「幡野さん!!」と女性に話しかけられた。
え、こんなところで話しかけられる?っておもったらいぜん一緒に知床に撮影にいった、雑誌BRUTUSの編集者のカモシダさんがいた。夏休みでウラジオストクを訪れていたらしい。

たぶん渋谷とかでばったり会ってもびっくりするんだけど、ウラジオストクとかでばったり会っても、びっくりの度合いは渋谷とあまり変わらない。独身だったらカモシダさんに運命を感じてプロポーズしていたかもしれないけど、運命じゃなくてこれは偶然だ。

飛行機の窓から外を眺める。広大な土地に道が一本だけ通っている。
ゴルフ場だらけの日本の本州とも、畑だらけの北海道とも違う、ただ開拓がされていない広大な土地だ。

飛行機から眺めていると「冬の景色はどうなんだろう?」とか考えてしまう。
だったらまた冬に訪れればいいのだ。

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