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陸軍は『基地』とは言わないはずですが…
NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」という番組で100年あまり前の「スペイン風邪(かぜ)」を取り上げていました。
「スペイン風邪」という名称になったのは、第一次世界大戦中で交戦中の両陣営が感染症の情報を公表しなかったため、参戦していなかったスペインでの感染状況が世界に広まったとのこと。
本当の感染源・震源地と考えられているのは、アメリカだったそうです。
その”震源地”はカンザス州にあるアメリカ陸軍ファンストン駐屯地。
下の写真はその放送の一場面です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77294515/picture_pc_998068a1ec978129c02ebe3d4d2c86ae.png?width=1200)
お気づきになった方もいると思いますが、筆者が「ファンストン駐屯地」と書いたのに対し、テレビ画面では「ファンストン基地」となっています。
では、「駐屯地」と「基地」では何が違うのでしょうか?
陸軍・陸上自衛隊は通常「基地」という言葉は使いません。
「戦況に応じて移動しながら戦うため、平時にいるが作戦行動の拠点とはならない」というのが陸軍の考え方なのだそうです。
英語だと"Camp"や"Garrison"という言葉が使われます。
上記の画像では"Garrison"となっていますし、沖縄にある米軍基地は「キャンプ〜」と呼ばれるところがありますね。
一方、空軍は「基地」「航空基地」、英語だと"Base"または"Air Base"です。
そして、海軍は「基地」ではなく「軍港」「海軍施設」が原則。
ということで、上記の番組「映像の世紀 バタフライエフェクト」の「ファンストン基地」という字幕は、首をかしげざるをえません。
民放のバラエティー番組なら「まあそんなものか」という感じですが、NHK自ら「『映像の世紀プレミアム』の制作チームがアーカイブス映像を駆使して、現代史をドラマチックに描く新しい歴史教養番組」と称する肝いりの新番組でこれはちょっといただけませんね。
昨今のヨーロッパでの”戦争”もそうですが、軍事的な知識は軽視したり敬遠したりすることは、『有事』につけが回ってくると思うのです。
知識を身に付けること、勉強することと、軍事力そのものやその行使の是非とは、分けて考えるべきだと考えます。
細かいことですが「気にし過ぎ」アンテナに引っかかりました。
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