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君に幸あれ

今年6月。
3人いたセフレのうち誰かを諦めるという段になった時、「もう会えなくなる」と考えたらどうしようもなく泣けてしまったはずの、亮太。

今月の約束の日に運悪く台風が来て、会う予定が延期になった。


「10月のシフトも20日くらいに締切だから、それまでに日付を決めてくれると助かります」
「了解。調整するー」

そして今日は20日だけれど、亮太からの連絡はなかった。



「“もうすぐシフトの締切なんだけど…”と、私から催促すれば良かったのかな?」
「でも、亮太がこのままフェードアウトする気だとしたら、私だけ会う気まんまんなことが知られて、恥ずかしいな」

それに、20日が近づくにつれ、「このまま連絡が来なくてもいい」と考えてしまう。
やっぱり、シフトだなんだと予定をやりくりするのが、煩わしく感じてきてしまっていた。

亮太のこと、性格も何も知らないけれど、何を考えているかわからない表情や、独特な雰囲気と黒髪、黒縁メガネをかけているところが、性癖にささる感じがして好きだった。
ちょっと前までは、片道2時間も厭わないくらいに、会いたかったのに。

好きだけど、やっぱり愛ではなかったんだな。
愛していれば、2時間かかったって会いに行くだろう。



価値観の違いを感じた史郎に、お別れをし。
遊び方が合わなくなった晴臣からは、連絡が無くなり。
このまま亮太と関係が終わったとしても、まだ私にはセフレが2人もいる。
SM好きの大知と、noterさんだ。


大知とは、来月の中頃にまた会う予定でいる。
SMに特化したラブホテルをみつけ、2人で部屋を選び、大知が早々と予約してくれた。
選んだのは病院の診察室をテーマにした部屋で、分娩台のような張り付け椅子や大の字に拘束できる病院ベッド、医師とナースの白衣もある。
どんなセックスをしようかと、毎日のようにAVのような妄想ストーリーを語り合う時間も楽しい。
だけど、この気持ちは愛にはならないだろう。

noterさんと会うのは、もう次で3回目だ。
詳しくは何も書かないが、互いが独身同士で遊ぶって、本当に楽しくて素敵な時間だなぁと思う。
既婚者には持てない、“愛してしまってもいい”という自由。


だけど、私は…

未来のない私と、また会ってくれることが嬉しい。
いつか2人の軌道が反れて離れても、私は笑顔で手を振れるよ。

君に幸あれと(ㆁωㆁ*)✨

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