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Ableton Liveのこと

さてここから普段自分が使っているDAWについて数回に分けて書いていこうと思っています。しかしいきなり言い訳と申しますか、既にネット上には数々の的確で素晴らしいレビューがありまして、それらには到底敵うわけもなく。ですのであくまで非常に極私的なことしか触れませんので、その点予めご了承下さい。

前回の記事の中にも書いていますが、Ableton Liveを導入し始めたのは2005年頃。それ以前はPropellrhead Reasonを愛用していました。Reasonは今でもとても良いソフトだと思います。ただ当時はReasonだとオーディオを今ほど効率よく扱えず(今現在はオーディオもスムーズに扱えますよ!)Pro Tools LEを併用していたのですが、どうも私は今も昔もPro Toolsの画面を見るとオーディオ編集は俄然やる気が出るのに作曲意欲は一気に削がれる体質らしく(笑)さてどうしたものかと困り果てていました...。そんな時に偶然たどり着いたのがAbletonでした。そのMIDIもオーディオが垣根なく混在しているそのコンセプトに衝撃を受け、すぐに導入したのを覚えています。

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個人的に思うAbleton Liveの良さは4つあります。まず自分にとっての最大のメリットはアレンジメントビューの視認性の良さです。たぶんAbletonで有名なのは、あの「セッションビュー」の方(上の画像はアレンジメントビューです)だと思うのですが、他のDAWと比べてもAbletonのアレンジメントビューは「今何が起こっているのかが」が分かりやすい。広く全体を見渡しやすくて、例えばMIDIデータの表示の視覚的バランスも素晴らしい。下記の画像はパッと打ち込んだ直後にMIDIデータを選択した時のものです。

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これが他のDAWだとノートデータの太さが妙に太かったり、細すぎたりするのですが、最初から結構絶妙なバランスで打ち込んだノートの全体像が分かりやすく表示されます。

2点目はオートメーションの描きやすさ。仕事柄様々なDAWに触れますがAbletonはオートメーション描画については一番ストレスがないです(結局は慣れですけどね...)。ただしMIDIのオートメーション描画には目的のパラメーターにたどり着くまで階層が多いのが若干気になります。

3点目はサンプラーの使いやすさ。最近はStudio Oneも使いやすいし、Cubaseだっていい感じですが、気楽にささっとサンプリングして如何様にもあっという間に料理出来るUIの素晴らしさは何にも代え難いものがあります。

そして4点目はソフトそのものの安定性です。AbletonについてはMac環境でしか運用してこなかったのでWin環境は分かりませんが、突然の終了やフリーズが最も少なかったです。これまでの体感上自分の環境下ではLogicよりもその点が優秀でした。

よく価格が高いと言われますが、まぁその点は確かに。いきなり飛ぶ込むには少々躊躇するかもしれませんが、所謂従来のMIDIシーケンサー的DAWのワークフローに何だか飽きてしまった、という方にはお勧めします。先に触れた視認性の良さなんかも他のDAWから比べると「こんなにシンプルなの?」と思われるかもしれませんが、実はこれくらいシンプルでも全然快適に、しかもディープに制作に没頭出来るという事が体感頂けるDAWかと思います。音質については昨今のDAWはどれも問題ないです。それぞれ特徴や好き好きはあるとは思いますが、少なくとも私はAbletonの音質に問題を感じたことはありません(Warp機能による独特な音のコマ落ち感はありますが、気になる場合にはWarpをオフにすればいいだけの話かと)。

ということで以上になりますが、私のクライアントワークでは案件によって他のDAWを使うことも多々あります。しかしながら自分の作品作りではまずAbletonから作業を始めます。テンプレートも作らず真っさらなキャンパスにドローイングをするかの如く、気がついたらいつの間にか音のカタチが出来ている。私にとっては最も直感的なDAWです。

ご参考までにAbleton Liveのサイトはこちらです。



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