プロジェクトは、ある演説から始まりました。
拓殖大学と山梨県立大学の大学生による楽しむ農業プロジェクト「ハタチの畑」。
始まりは、拓殖大学国際学部農業総合コースの竹下正哲教授の演説でした。
竹下先生のご専門は、収穫量を増やすための栽培技術、特に最近は、イスラエルの栽培技術を日本に導入する実験に取り組んでいらっしゃいます。
筑摩書房から『日本を救う未来の農業ーイスラエルに学ぶICT農法』(ちくま新書)を出版されています。
その竹下先生、2018年12月22日、山梨県立図書館で開かれたイベントに登壇されました。
僕はそのとき、司会をしていました。
「5分だけ話をさせてほしい」
竹下先生からのお願いでした。
メインイベントの合間の時間にスピーチをしていただきました。
お話の趣旨は、①日本の農業はこのままでは危ない、②TPPの発効などによって安い農産品がどんどん入ってくる、③生産性を高め、収穫量を増やし、海外にも売れる方向性を目指すべき、というものでした。
ひとことで言うと、「トヨタのプリウスのように、品質のよいものを普及価格で世界にどんどん売っていこう。農業のトヨタ化を目指そう」というメッセージだと僕は受け止めました。
「ぜひ、山梨の果樹栽培の生産性を上げて、山梨の果実を世界に売り出すためのプロジェクトを立ち上げたい」
たった5分間のスピーチ。
僕は、竹下先生のスピーチの熱量に圧倒され、感動し、お手伝いを申し出ました。
そのイベントに来ていただいていたNHKの解説委員の方も、ご協力を申し出てくださいました。
「3月に山梨の果樹農家を見てまわりたい」という竹下先生の要望に合わせて、探し当てたのが「Short Legs Group」のみなさんでした。
僕は、農業は門外漢のため、正直、お手伝いを申し出たものの、困り果てていました。
「うーん、そろそろ、農家さんを見つけないと」と思っていた矢先に、なぜかfacebookで「農業ファーマーズフォーラム」というイベントの案内が上がってきました。
よく見ると、主催は山梨の若手果樹農家3人組。ホームページをのぞくと、「日本の農業のイメージを変えたい!」というメッセージが掲載されていました。
「これだっ」と思い、facebookのメッセンジャーでご協力のお願いを送信すると、即座に快諾の返事が。
『Short Legs Group』のみなさんも、ちょうど大学生との連携を考えていたタイミングだったようでした。
なんたる偶然。
こうして竹下先生と『Short Legs Group』というキーパーソンがつながり、大学生を巻き込んだ『ハタチの畑』へとつながっていきます。
つづきは、また。
きょうの執筆担当は、山梨県立大学の兼清慎一でした。
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