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知られざる運動神経の真実

こんにちは!【子供専門】の走りを速くするトレーナーはたチャンです。
教育委員会の運動アドバイザーや専門学校の講師などしております。

さて、本日は私が代表を務める運動能力向上教室JNAC.labの体験に来てくださった方からの質問です。

Q.両親ともに運動が苦手です。子供に遺伝しますか?
 半分がYES、半分がNOです。親が運動嫌いだったら公園に行くなどの外遊びが少ないので、運動が嫌いやできない子供になることも大きな要因です。ただ、親が運動が苦手な場合、遺伝的に運動が下手くそなのも確かです。ただ、じゃあ将来を悲観するかというとそうでもなく、小さい時からたくさん外遊びをさせればいいだけです。


Q.そもそも運動神経ってなに?
以前のこの記事にも書いていますが、運動神経が悪い子を一般的に鈍臭いと言います。運動神経という神経があるわけではないんです。

つまり、勝手に運動ができることを運動神経がいい、できないことを悪いと言ってるだけです。

ただ、少し専門家トークをすると、この運動神経とは、脳から筋肉への伝達の正確性と処理容量のことをさします。脳からの伝達速度は電話よりも早いわけで、ここは大差はないんです。ということは、適切に脳からの信号が送られていない!または、信号がたくさん送れていない。どちらもか、どちらかです。


運動神経を高めるには?
 これまで1億回以上聞かれてきているこの質問ですが、簡単にいうと「外で遊ばせろ」なんですが、その理由がすごく大事です。
 毎日同じ公園では、残念ながら微妙です。
 なぜなら、「さまざまな動きをする」ことに意味があるので、同じ公園で同じ滑り台をしていても、行かないよりはマシですが、もったいないんです。

お勧めする子供の公園の利用方法はコチラ

・ボールを持っていく(2種類:ミニサッカーボールとテニスボール)
・フリスビーを持っていく
・遊具が多い方がいい
・縄跳びを持っていく


 おそらくどれかはできるはず。100円ショップにもテニスボールなどありますので、公園で投げたり蹴ったり、大人とキャチボールしたり、上に投げてキャッチするのも大アリ。
 フリスビーなど変化があるものだと子供は飽きずに遊べます。
小学校でも使う縄跳びは、学校の中だと使い方に制約がありすぎる。例えば縄跳びを前回しで跳ぶのではなく踏んでみるとかもすごく難してお勧め。


ゴールデンエイジって何?
  残念なお知らせ
  ゴールデンエイジで伸びるのは「一部の子供」だけです。

 この言葉の一人歩きがとにかくすごい。
 ゴールデンエイジとは、9歳から12歳(10歳前後に)の期間になんでもすぐにできるようになる時期をいいます。即座の習得とも呼ばれるこの期間は極めて重要であることは確かですが、過信している指導者や親が多いのです。

 では、なぜ一部の子供だけか?というと…
 ゴールデンエイジには3段階あります。
 ①プレゴールデンエイジ(3〜6歳)→移行期→ ②ゴールデンエイジ(9〜12歳)→移行期→ ③ポストゴールデンエイジ(12〜15歳)に分類されます
。神経としては②の期間に1番発達するんですが、だからといってその神経をうまく利用できるとは限りません。

 「プレゴールデンエイジにどれだけ身体経験を積んでいたか」でゴールデンエイジの飛躍率は変わります。
 そのため、プレゴールデンエイジの時には上達は不要です。むしろ上達するまでにさまざまな動きをするべき期間です。
 このプレ期に身体経験が豊富な子供は、ゴールデンエイジ期に上達することが可能となります。

 そして、ゴールデンエイジで上達したものに、筋力が組み合わさってほぼ完成するのがポストゴールデンエイジです。

特定のスポーツだけするデメリット
 もうお分かりでしょうか?プレ期〜ゴールデンエイジ期にサッカーだけ!野球だけ!習っている子供には、ゴールデンエイジでの即座の習得はありません。なぜなら、ずっと同じ動きをしているので、特に新しい刺激が入らないからです。
 そして、得られるのは同じ種目で同じ動きばかりをしていたので特定の部位(腰や膝など)の怪我を早ければ小学校4年生からオスグッド(シュラッター症候群)と言われる膝の怪我をすることになります。
 オスグッドは痛みが引いてから2週間程度の慣らし期間が必要で最低でも休養に1ヶ月が必要な怪我です。(最悪の指導者はテーピングやサポーターで続行させたり、痛みが減少すれば復活させます。)再発率が90%を超えているため、ならないのが最もよく、なってしまったら専門家である医者とトレーナーの指示を仰ぐげき怪我です。

まとめ
 人生でスポーツの上達率が100%とした場合、早くからすることはスポーツ寿命を前借りしている状態です。そのため、小学生の時に上手い選手が高校生では試合に出てなかったり才能に見切りをつけていることは、日本では日常茶飯事です。
 これは間違いなく親の責任です。

 たまには他のスポーツしたり、練習をあえて休んで休養させて、ゴールデンエイジが獲得できるようにしてあげてください。

畠中 ひであき

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