その人の見てる世界を知る。たったそれだけのことで、ほとんどの問題は解決する。

僕は人の話(ストーリー)を聴くのが好きだ。

その人はどんな人生を歩んできて、今ここにいるのか

新しく人に出会う度に、必ずその人がこれまでどんな人生を歩んできて、今ここにいるのか、必ず聴く。

といっても、聴こうと思って聴いているではなく、無意識に知りたくなるし、興味が湧くのだ。

この人は、どこで生まれて、どんなことを経験してきたのかなー。

今、なんでこういうお仕事をされているのかなー。

どんなことを大切にされているのかなー。などなど。

頭に浮かんでくるままに「聴く」。

そうするとその人のことが少しずつ分かってくる。

あぁそんな人生歩んできたんだー。面白いなー。自分がその状況に置かれたら、きっとこんな気持ちになるだろうなぁ。いや、もしかしたら自分だったらこういうことを思うのかなぁとか言いながら、気づくとその人に益々興味が湧いている。

相手に感情移入する力

これを僕は「感情移入」と呼んでいるが、おそらく僕はこの相手に感情移入する力が強い。もしかしたら、この力だけで生きていたと言っても過言ではないくらい、この特徴に感謝している。

きっと皆さん仕事をしている中で、「この人、どうにも合わないな」「あーあの人と話すの億劫。。」みたいな人、必ず1人はいると思うし、多くの組織において、そのような感情が実は多くの問題を引き起こしているように思う。

例えば、「うちの経営陣はどこまで現場のこと理解してるんだか」とか、「うちは中間にいるマネージャー陣が弱くて」とか、「〇〇部の人達は本当なんでこんなことに思いが至らないんだろう」とか、「うちはトップが会社のビジョンを示してくれない」とか、「危機感を持っている人がほとんどいない」とか、そんな言葉が組織のなかに溢れていたりしないだろうか?

相手の見ている世界を理解しないままに仕事をしていないか

僕は、それらの問題を引き起こしている背景には、大抵の場合、そもそも「お互いの見ている世界を、お互いに理解しないままに仕事をしている」ことに原因の8割が潜んでいると思っている。

要は、一言で言ってしまえば、「相互理解不足」なのだが、だからと言って、対話の場を作ればよいとか、オフサイトミーティングをやろうとか、いきなり打ち手の話になるのが、多くの企業で良くある話。

あまりに安易で、何の問題解決にもならないし、現場の負担が増えて、相互の不信感をさらに増長するだけなので絶対にやめてね。

もちろん色々な問題の背景は個別具体的で、そんな単純な話にまとめるな、という声もあって然るべきだが、少なからず色々な組織を見てきた中で、大抵の場合、問題の本質は、戦略だとか、サービスだとか、マーケティングだとか、そういう話は表面的な話で、実際に事が前に進まない原因を深く深く掘っていくと、大抵、そこに関わる人達の「関係性」の話だったり、「感情」の問題に起因してることが多い。

盗人にも五分の理を認める

名著と言われる「人を動かす」の最初の原則が、たしか「盗人にも五分の理を認める」という原則だった記憶があるが、

これは本当その通りで、すべての人が何の悪気もなく、自分自身の中にあるある種の「正義」というのか、「これって当たり前だよね」というものを無意識に持っているだけであって、誰一人としてそれがまさか誰かを傷つけていたり、不信感を招いているなんて露とも思ってない。

なのに、それ(=それぞれがもつ当たり前)が「人それぞれ違う」という当たり前の大前提を忘れて、相手がどんな人なのかをお互いに知る前にいきなり仕事を始めるから、「いやいや。そりゃ噛み合わないことは多々出てくるでしょ」と思うわけで。

あなたは、一緒に働いている人達のこと、どこまで本当に知ってます?自分自身のことを理解するのもそんな簡単な話じゃないのに、本当に相手のことどれだけ知ってますか?そもそも、どれだけ知ろうとしてますか?

あなたの組織が抱えている問題は、本当に戦略や制度や仕組みの問題ですか?あなたの組織がブレイクスルーできない本質的な問題は何ですか?

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