見出し画像

試行の授業デザイン④|教師の解説が子どもの学びを阻害する

#公民がすき

勤務校でのとある事情により、2学期から中3社会科公民の授業を受け持つことになりました。

これまでに考え、試してきた授業デザインがこちら。

授業とはまさに生き物で、状況は刻々と変化しており、それに合わせて授業スタイルやデザインも対応していかなければなりません。

授業デザイン④を考えてみることにします。

お付き合いいただけたら幸いです。

1.教師の話は短い方がいい


授業時間は、中学校では50分。
授業名人も普通の授業者も、みんな等しく50分。

この50分をどう使うかが授業デザインとなるわけです。

いわゆる講義形式の授業だと、その大部分が教師による説明の時間になります。
当然、子どもたちは受け身的な授業姿勢となり、よほど高い学習意欲をもっているか、おもしろい話でなければ、ただ聞いているだけでは、辛い時間となってしまいます。

こちらが、伝えたい、わかってほしいと思うことであっても、その学習効果はあまり期待できないでしょう。

教師が説明する時間を減らす。それによって生み出された時間を、子どもたちが自分たちで学習する時間にまわす

でも、このシンプルなことがなかなかできないんですよね。
教師の性といいますか、「説明しないとわからないだろうなぁ」という親切心からなのか、「オレの話を聞け!」という強欲からなのか、なかなか先生主体の時間を手放せない…。

2.話さないと不安?

私は、もともと小学校の先生で、専門と言われれば理科。
入試をひかえた生徒たちの公民の授業をまるごと任されるようになって、その不安さったらありゃしない。

当然のことながら、小学校の社会科の教科書に比べて、内容も多くて、中身も濃い。
最初の頃は、私のインストラクションの時間を短く、子どもたちのアウトプットの時間を長くというデザインを維持できていました。

1章、2章、3章と章が進んでいくにつれて、覚えていてほしい言葉もだんだん増えていく…。
「この資料は読み取れているだろうか?」
「この法律は、意味がわかるだろうか?」
と考えると、触れない、教えないことへの不安な気持ちがだんだん大きくなって…。

そして、毎月やってくる学力テストの範囲に追いつかなければならないという事情が追い討ちをかけ、1時間で2つの課題をこなさければならなくなると、私からのインストラクションも2つ分になって、さらに話が長くなる…という悪循環が生まれ始めました。

い・いかん…。私の話で、子どもたちの考える時間を、アウトプットする時間を奪ってしまっている…。

3.授業デザイン④

そこで、授業デザインを変更してみました。

①チェックインタイム(7分)前時の確認
kahootを使って前時の学習内容クイズに取り組み、フォームを使って確認小テストをします。
覚えなきゃいけないことは、楽しく、繰り返しで。

②ガイダンスタイム(3分)本時の確認
学びの地図を使って、本時の課題と目標の確認を簡単に行います。

③インプットタイム(10+5分)
これまでスライドを使って私がインストラクションしていた内容を1枚のワークシートにしたものを配布し、グループで取り組みます。
この時間は、教科書を読んだり、タブレットで調べたり、質問し合ったり、聞き合ったり、話し合ったりを推奨し、学び合える時間となるよう配慮します。
だいたい10分ほどでできるので、10分後に解答例をグループの代表者に渡して、解答を共有してもらいます。
この時に疑問点が出れば、グループで話し合ったり、私が説明したりすることもあります。

④アウトプットタイム(15分)
インプットしたことを活用することで、生きた知識となります。
・○○について説明せよ
・△△についての意見を述べよ
・□□について議論せよ
といったミッションが課せられ、個人で、あるいはグループで取り組みます。
この時のツールは、GoogleslideやCanva、Padletなどを使うと効果的で楽しいです。

⑤リフレクションタイム(10分)
フォームを使って確認問題(これが、次の時間の確認テストにもなっている)に取り組み、この時間の学習内容をふりかえります。
最後に、スプレッドシートにこの時間の学び方についてのふりかえりを記入して終了となります。

まとめ|教師の話が子どもの学びを邪魔をしている

今回の記事は、子どもの学びの時間を確保するために、教師のインストラクションをなるべく短い方がいいという話でした。

時間をかけて準備した話は、どうしても長くなりがち。
そして、こちらが思うほどには、子どもたちには伝わらない、心に残らない。

それよりも、学ぶべきことを、自分で、自分たちの力でインプットし、インプットしたことを活用してアウトプットできる時間を確保してあげた方がいい。

そのために、授業デザインを次のように変えてみました。

①チェックインタイム(7分)前時の確認
②ガイダンスタイム(3分)本時の確認
③インプットタイム(10+5分)
④アウトプットタイム(15分)
⑤リフレクションタイム(10分)

授業は生き物。
今のところは、この試行の授業デザイン④で授業は順調ですが、やがてまたうまくいかないところも生じてくることでしょう。
そうしたことに敏感に察知し、柔軟に対応できる教師でありたいと思っています。

お付き合いくださり、ありがとうございました。

読んでいただいてありがとうございます。
教育×○○をテーマにいろいろ書いています。
他にも読んでいただいたら、うれしいです。

この記事が参加している募集

公民がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?