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目指せ!新規就農54|消費者の心を掴む、農業ストーリーブランディング

新規就農を目指して、4月から研修をスタートさせるハタセンです。
マーケティングや農業経営について学んだことを、日々1500〜2000文字で書いています。
いつもご愛読ありがとうございます。

今日は、ドナルド・ミラー著「ストーリーブランド戦略」から学んだことをあなたに共有しますね。
この本は、商品やサービスを消費者の心に響く物語として届ける方法について解説しています。私が最近読んだ本の中で、とっても面白くて、ハマった一冊です。

最近の私の頭の中は、4月からの農業研修、そしてどのように商品を売っていくかという農業経営でいっぱい。
このストーリーブランディング戦略は、農業経営においても重視すべき戦略だなぁと、その可能性にワクワクしています。

農産物や農業体験を単なる商品ではなく、お客さんの日常に寄り添うストーリーとして伝えるには、どうしたらいいのか?
あなたも一緒に考えてみませんか?

1.ストーリーブランド戦略とは?

あなたは、「ストーリーブランド戦略」という言葉を耳にしたことありますか?ドナルド・ミラーさんが書いたこの本で語られているのは、ただのマーケティング手法ではありません。
実は、商品やサービスを消費者の心に響く物語として届ける、とってもユニークなアプローチなのです。

でも、「物語」と聞いても、どういうこと?って思いますよね。
実際、昔から本や映画の中の物語が多くの人に愛されてきました。物語って、ただ楽しいだけじゃなくて、何かを伝えたり、教えたりする力があるんです。そして、その力をマーケティングに応用するのが、「ストーリーブランド戦略」。

例えば、あるコーヒーショップがあります。ただ「コーヒーを売っています」と言うのではなく、「毎朝、あなたの一日をスタートさせる特別な一杯を提供します」と伝える。これがストーリーブランディング。お客さんは、ただコーヒーを買っているのではなく、素敵な一日の始まりを購入していることになるのですね。

このアプローチで大切にしたいのは、サービス提供者や商品が主人公なのではなく、お客さんが物語の主人公なのだということ。つまり、商品やサービスが、彼らの生活にどう役立つのか、どんな価値をもたらすのかを物語を通じて伝えることが大切です。
そうすることで、お客さんは自分自身を物語に投影し、商品やサービスに深い感情的なつながりを感じるようになるんです。

例えば、あるアウトドア用品ブランドが展開するキャンペーン。
「山での冒険をサポートするギアを提供します」というメッセージではなく、「あなたの冒険心をかき立てる、信頼できるパートナー」と自己紹介します。ここでも、お客さんはただの消費者ではなく、冒険の主人公として扱われていることになります。

このように、ストーリーブランド戦略は、商品やサービスを単なる物としてではなく、消費者の人生の一部として組み込む方法を提供します。
消費者の心に残り、彼らが真に関わりたいと感じるブランドを作るための、とても効果的な手法なのです。

次に、農業経営において「ストーリーブランド戦略」の7つの要素をどう活かすか、見ていきましょう。

2.農業で物語を育てる7つのステップ

①主人公になるのはお客さん

あなたの農産物やサービスを買う人たち、つまりお客さんがこの物語の主人公です。彼らの日常や夢、悩みに寄り添うようなサービスを提供してみましょう。
例えば、「健康を大切にする家族のために、安心して食べられる野菜を育てています」というようなメッセージはどうでしょう。

②直面する問題

お客さんが抱える問題って何でしょう?健康的な食生活を送りたいけど時間がない、安全な食材が欲しいけど見つからない、そんなお悩みにこたえる農産物という物語を描いてみてはどうでしょう。

③導き手はあなた

農家のあなたが、お客さんを導くガイド役です。
自分の農園がどうお客さんの問題解決に役立つかを、情熱を持って伝えていきましょう。

④明確な計画

お客さんが求める「理想の生活」に近づくための計画を提案します。
例えば、季節ごとに最適な野菜を届ける定期購入サービスなど、具体的なアクションプランを提示することもできますね。

⑤行動を促す

お客さんに次に何をすればいいか、具体的な行動を促します。
購入への誘導だけでなく、レシピの共有や農園訪問のお誘いも良いでしょう。

⑥失敗を避ける

お客さんが行動しないことのリスクや、問題を放置した場合のデメリットを優しく伝えます。
安全でない食材を使うリスクなど、お客さんが共感できる内容を。

⑦成功の結末

お客さんが行動を起こした際のポジティブな結果、つまり成功の結末を描きましょう。
健康的な食生活が手に入る、家族が笑顔になる、そんな幸せな未来を提示してみるのもいいですね。

これらのステップを踏むことで、農業経営においても、お客さんの心に深く響く物語を紡ぎ出すことができます。農産物や農業体験を単なる商品ではなく、お客さんの生活を豊かにする「物語」として提供することで、お客さんとの間に強い絆を築いていけるはずです。

3.こんな物語が描けたらおもしろいね!

ここまでで、農業におけるストーリーブランディングの基本ステップを見てきましたが、実際にこれを実践してこんな物語が描けたらおもしろいなぁというものを3つ紹介しますね。

①コミュニティ農園の物語

「地域の人々が一緒になって作る、食と緑のオアシス」をテーマに活動を展開するコミュニティ農園。この農園の物語は、単に野菜を育てるだけでなく、地域住民が集まり、交流し、学び合う場を提供することに重点を置きます。
月に一度の「収穫祭」や「料理教室」を通じて、参加者たちが主人公となる物語を紡ぐのです。

②サステナブル農業の推進

サステナブルな農業方法を取り入れる農家が、「地球にも人にも優しい農業」をコンセプトに、その取り組みをSNSで発信します。
化学肥料や農薬を使わずに作物を育てる過程、その挑戦と成果をリアルタイムで共有することで、フォロワーに自然と調和した生活の重要性を伝えていきます。
この物語は、消費者が環境への影響を考え、サステナブルな選択をするきっかけを提供してくれるでしょう。

③ファームトゥテーブルのレストラン

ファームトゥテーブルを実践するレストランが、地元の農家と連携して、食材の生産者と消費者をつなぐ物語を展開します。レストランでは、使用する食材の生産背景や農家の顔が見える情報を積極的にメニューに記載。来店するお客さんは、食事を通じて地域の農業や食文化に参加することができます。
このアプローチは、食材の価値を再認識させ、食に対する意識改革をうながすことにつながるはずです。

これらの物語では、ストーリーブランディングによって、単に商品を売るためだけではなく、価値観の共有、コミュニティの形成、環境への配慮など、さまざまな側面で消費者と深いつながりが築かれています。

農業経営においても、このようなアプローチを取り入れることで、お客さんとの関係をより深く、意味のあるものに育てていくことが可能です。

4.まとめ|農業で物語を育て、未来を描く

今回の記事は、ストーリーブランディングが農業経営にどれだけ大きな可能性を持っているかを見てきました。

・物語を通じて、私たちの農産物やサービスがどのように消費者の生活を豊かにするかを伝える。
・消費者を物語の主人公にすることで、彼らの日常生活に寄り添うサービスを考える。
・短期的な利益を追求するのではなく、長期的な信頼関係とコミュニティの形成に貢献する物語を紡ぎ出す。

農業経営においてストーリーブランディングを取り入れることは、挑戦的な場面も多々あるかもしれません。
しかし、その結果として得られるのは、単なる顧客ではなく、物語を共有し、価値を理解し、支持してくれるコミュニティの形成です。
これこそが、現代の競争が激しい市場において、持続可能なビジネスを築く上での重要なかぎとなるのではないかと考えています。

今回紹介したストーリーブランド戦略のステップや事例が、あなたにとっても新たなインスピレーションとなり、あなたにとっての物語作りに役立つことを心から願っています。

今日は、久しぶりにハマったこの本のおかげで、長文になってしまいました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

では、また明日。

「目指せ!新規就農」シリーズは、おかげさまで順調に回を重ね、今回で54記事目となりました。
これまでの記事はマガジンにまとまっています。
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