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人に変わってほしければ、直接的な注意はNG

対人スキルを鍛えたい私とあなたのために、

この本からの学びを少しずつあなたとも共有していきます。
人間関係にお困りの私とあなたのお役に少しでも立てれば幸いです。
この本では、対人スキルを鍛える方法が

1.人を動かす3原則
2.人に好かれる6原則
3.人を説得する12原則
4.人を変える9原則
 (←今回の記事はココ)

太字は「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 目次のページより

の30原則にまとめられています。
今回から、「人を変える9原則」の2番目について書いていきます。

今回の記事では、「人に変わって欲しければ、直接的な注意はNG」 について紹介します。

どういうことか、さっそく見ていきましょう。

1.直接的な注意は避けた方がいい

この本の中で よきお手本としてよく登場する人物チャールズ・シュワブ。

チャールズ・シュワブがある日の正午に工場を回っていると、数人の従業員がタバコを吸っているのに出くわした。彼らの頭上には”禁煙”の掲示が出ている。
シュワブはその掲示を指して「君たちは、あの字が読めないのか」といっただろうか?
シュワブはそんな事は絶対に言わない。
その男達のそばへ行って、一人ひとりに葉巻を与え、「さぁ、みんなで外へ出て吸ってきたまえ」と言った。
もちろん彼らが禁を破って悪いと自覚しているのを、シュワブは見抜いていたが、それには一言も触れないで、心づくしの葉巻まで与え、顔を立ててやったのだから、彼に心服されるのは当然の話である。

「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 2章

この話は、注意したいことがあったとしても、直接的な注意は避けた方が良いということを教えてくれています。

この例では、シュワブは、「ここではタバコを吸うな」と言う直接的な注意を避け、「外でなら吸っても良い」と言うことを従業員たちに暗に教えています。
しかも、葉巻まで与えているのだから、なんと心遣いのできる人物なのでしょう。

このことは教員としても、見習うことがとても多いです。

学校の休み時間によく見かける風景。廊下を全力ダッシュする生徒たちに、
「コラー!走るなぁ!」と怒鳴り付ける教員。

とある授業中。先生が話しだしても、雑談に夢中でなかなか静かになれない生徒たちに、
「こら!いつまでしゃべっている?先生の話を聞きなさい。」と叱る先生。

とある家庭の風景。 いつまでもダラダラとゲームをしたりテレビを見たりしてなかなか勉強始めないわが子に、
「いつまでゲームをしているの?さっさと勉強始めなさい!」 と怒る親。

こんな学校や家庭の日常風景を思い浮かべる方も多いと思います。

これはまさに直接的な注意そのものです。

昔こんな本を読んだのを覚えています。

「もっとしっかり洗いなさい」
「もっと早く洗いなさい」
あるお母さんの声がさっきから耳に飛び込んでいた。これでは、子どもは動かない。
町内から、キャンプに行った。飯ごう炊さんの後で、子どもたちに鍋を洗わせた。小学1、2年生にとって、鍋のこげを取る仕事は、はじめてのことであった。何度言っても、はかどらない姿を見て、担当のお母さんの声には、いら立ちが見えていた。
「さあ、がんばって、時間がないから」
実は、子供たちの中に、私の娘もいた。洗う姿を見た瞬間、私には、ひらめいたものがあった。 次の言葉を発していた。

お鍋をゴシゴシ洗うことが、ここまで聞こえてくるように洗ってごらん

さっきまでのおしゃべり声が、たわしの音に変わるのに数秒とかからなかった。 手の動きが3倍ぐらいに速くなった。

AさせたいならBといえ 岩下修著 明治図書 P14

これは、直接的な注意は避け、遠回しな言い方をして子どもたちの行動を変えた好事例でしょう。

学ぶべきは、
・させたい事と語る言葉を同じにしない
・その言葉に嫌味がなく、遊び心がある

ものであれば、有効な注意として効果を発揮するということです。

2.「しかし」を「そして」に変えるだけ

よくある親子の会話

before

「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。しかし、代数をもっと勉強していたら、成績はもっと上がっていたと思うよ。

「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 2章

一見、ほめ言葉から話し始め、人を変える原則1番目「人を変えるには、まずほめことばから」 が意識されていていいなぁと思います。
ところが、「しかし」と言う言葉を聞いたとたん、今のほめ言葉が果たして本心だったのかと相手に疑念を抱かせてしまうのではないでしょうか。

after

「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。そして、来学期も同じように勉強を続ければ、代数だって、他の科目と同じように成績が上がると思うよ」

「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 2章

「しかし」の代わりに「そして」を使えば、褒め言葉の後に批判が続かないので、相手も素直に耳を傾けてくれることでしょう。

変わってほしい問題点を、あとから遠回しに知らせることで、相手は期待にこたえようと努力してくれる可能性が上がります。

遠回しに注意を与える方法は、直接批判されることに強く反発する神経質な人たちには、驚くほど効果がある。

「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 2章

まとめ|人を変えるには、遠回しな注意にする

今回の記事では、人を変える原則について
「人を動かす」D・カーネギー著 山口博訳 創元社 part4 2章
から紹介しました。

人は、直接的な注意には、素直に聞き入れたがりません。
それは、自己重要感を下げることにつながり、場合によっては、反感を買うことにもなりかねません。

たとえ、「まず、ほめる」ことから始めたとしても、「しかし」という言葉が次に来ることで、ほめたことを帳消しにされてしまう効果があるのです。

相手に変わってもらいたければ、
①「まず、ほめる」
②「そして…」 と言う葉をつなぎに入れる
③遠回しな注意の言葉を語りかけてあげる

と良いでしょう。

人を変える原則2。「 遠回しな注意にする」こと。

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