冬良くなる子
前回の逆パターン。冬になると成績が良くなる子がいます。
夏に飲みすぎの子どもたちです。
8歳男児。
「外来予約が決まった途端によくなりました!」と来院されました。
夏場は、おねしょを毎日していたのですが、ここ最近の2週間は1週間に一度だけなのだそうです。
夏から秋までは水筒に沢山入れて飲んでいたのですが、
冬になり、寒くなってきたところ、水筒内の水の減り方が激減したのです。
喉が渇かなくなったので飲まなくなったのだそうで、
以来、同時におねしょが減ったのです。
お子さんの場合、夏良くなる子か冬良くなる子か見極めて、対処してくださいね。
冬良くなるお子さんは、水分摂取が減るだけで、良くなるのですから、単純な話です。
失敗の原因がわかれば、案外、簡単に解決します。
ところで、皆さんのお話しを聞いていると、
脱水にならないよう、水分を摂るようにとあちこちで指導をうけたり、テレビで聞かされることが多いです。
ご心配に及ばず、人には元々脱水にならないよう調節する能力が備わっているのです。
脱水、つまり体を流れる血液量が減ってくることを察知すると、
脳の下垂体というところから抗利尿ホルモンを分泌して、文字通り利尿を抑えて、尿を出さないようにします。
腎臓はこのホルモンに反応して尿を濃縮して尿量を減らし、体の中に流れる血液を残すように働きます。
朝起きたときは、脱水気味なので、通常濃い尿が出ますね。
おねしょの子ども達は夜この抗利尿ホルモンの出方が少ないことが知られています。
そのため、尿を濃縮できず、薄いたくさんの尿が作られて、膀胱に入りきれずにおもらししてしまいます。
そのような子どもさんには、この抗利尿ホルモンと同等効果のある薬を使って、おねしょの治療をしています。
一方、おねしょの原因が飲みすぎにある子たちは、脱水になっていませんので、この尿を濃縮するホルモンが出ていません。
夜寝る前は、脱水にする=ドライサイドに絞る
ことが、おねしょを直す秘訣と心得てください。
夜のどが乾いたら、ごくごく飲んだり、一気飲みすると適量をオーバーしますので、ちびちび飲むこと、あるいは氷を舐めることをお勧めしています。
ちょっとの工夫で、案外簡単に解決します。お試しください。
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