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膀胱訓練したほうがいいですか?

今日はとても嬉しいことがありました。

3年通ってやっとおねしょが無くなった12歳の男の子のことです。

「努力し続けたから、成果が出たんですよ。自分のお蔭ですよ。

よく頑張ったね。」と声かけたら、穏やかに微笑んでいました。

でも決して偉ぶらない。


おねしょを治す3つのポイント、

水分・塩分制限
良い睡眠
排尿習慣

はもちろんしたけれど、それでももう全く、よくならなくて、

3種類もの薬を盛ってアラーム療法までして、

それでも改善しなかったので、はっきり言ってお手上げでした。

思い直して、何か方法はないかと考えると、膀胱容量が小さいのが問題で、

なかなかたくさん溜められるようにならなかったので、ここだと思い、

膀胱訓練を始めました。

膀胱訓練は、賛否両論あり、必ずしも推奨されている方法ではありません。

しかし、新潟で開業されていた、小児科医の相川務先生から、個人的に、

「膀胱訓練をすれば、必ず治る。」と聞いていましたので、

取り入れてやってみました。

当初、寝てから朝まで、溜められる尿量がせいぜい200mlだったのです。

想像してみてください。紙コップいっぱい程度が精一杯なんです。

どれだけ水分、塩分の制限をしても、みかんも味噌汁も諦めても、

お風呂に入った後も飲まなくて、氷の塊を舐めて我慢しても、

朝までの尿量は、200mlは超えてしまうのです。

きちんと測って外来に来られていましたので、記録を分析すると、

夜間の総尿量が200mlを超えた日は必ず失敗してしまうのです。

200mlの壁を突破することが悲願となりました。

さて、膀胱訓練

と言うと一体どんな怖いことをするのかと思うかもしれませんね。

とても単純な方法で、

毎日、来る日も来る日も家に帰ってから寝るまでの間に、

1回だけ、目一杯おしっこを我慢して、排尿量を記録をしてもらう

たったこれだけのことですが、毎日続けてくれたんです。

お母さんも協力して、一緒に記録してくれました。


そもそも膀胱はゴムのような臓器なので

グーンと伸びます。しかし、元々の個人差がありますので、

伸ばした経験がなければ、なかなか溜められるようにはなりません。

そうかと思えば、何ら努力もせずに1L溜め切ってしまう子もいます。

出来ない子からしたら、羨ましい限りですよね。

ともあれ、彼がもし500ml 溜められる膀胱だったら、

多少、水分塩分の摂取が多い日があったとしても、

汗をかかなくて尿量が増えたとしても、十分な余力があります。

そこで、彼は2年間続けました。少しずつ成績を上げて、

十分な蓄尿力を身につけたと言うわけです。

なかなか出来ることではありません。

2年経った今は、何と550mlも溜められるようになったのです!

驚異的ですよね。

膀胱容量が少ない場合でも、努力次第で克服できる。

今年はコロナで合宿はなかったけれど、来年から行ける

と自信もつきました。

故人となられた相川務先生が、「言った通りだろ?」

と天国で微笑んでいらっしゃることでしょう。

従いまして、表題の答えは、Yes  です。

どうしても治らない時は、試してみてくださいね。


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