【豊竹咲太夫】義太夫節の世界へ導いてくれた人。
豊竹咲太夫さんの義太夫節を初めて聴いたのは、今から9年前、2015年3月。春を目の前にしながらも、まだまだ底冷えのする京都での公演だった。初めての文楽鑑賞だった。
咲太夫さんの語る義太夫節の感情豊かで、体にぶつかってくるような大きな声に圧倒された。
義太夫節と言えば、低音でハスキーなくせのある声のイメージがあった。だが咲太夫さんの声は、声楽のテノールのような高音で艶のある声で、文楽初心者には耳にすっと入ってきて聴きやすかった。
咲太夫さんらが語る義太夫節以外にも、3人で