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Base Ball Bear全曲レビューpart.3.5

アルバム『CYPRESS GIRLS』


1 十字架You and I「My Cross To Bear, Your Cross To Bear, Their Cross To Bear」
MJになりたかったとしか思えない歌い方と、そのせいでいつのまにか「ダンス湯浅将平」曲になってた。
MVがアニメーションなんですけど、制作は現在「ポプテピピック」で話題の神風動画。だからか。

2 BAND GIRL'S SPIRAL DAYS「Spinning Staircase, Soda Sadness」
久々な「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」感の曲。フェードアウトで終わるこの曲、完全にコピペで作られている一方、「波立ってる」→「涙ってる」と評価が変わってるのが細かいポイントです。聞いてる限りは変わらないんですけどね。

あと「世界の終わりには 紅茶飲めないから」。そういえば湯浅さんはミッシェルガンエレファントが大好きです。

3 Shine On You Cypress Girl「You Deserve To Sparkle」
すっごく細かい話をすると、堀之内さん初のコーラス収録だそうです 笑
サイプレス=糸杉、花言葉は「死」、タイトルはピンクフロイドが元ネタだったりサウンド面でXTCを意識した部分を公言していたり、その面で「BRACK SEA」とかあの辺りの延長線上なんですね。

4 beautiful wall (DUB)「Door With No Handle」
先日クラブミュージックに関するブログを書いたんですけど、あの後もいろいろ聞いていたんですが今のクラブシーンでダブステップ流行ってるんですよね。
ブチ上がるためにトラップを取り入れてる昨今、内省的に心情を掘り下げるためにダブステップ持ち込んでるのがすごく対照的です。

5 kamiawanai「僕の声」
「翼広げて さあ羽ばたくというのなら/僕はこの足で階段を駆けるよ」ってのは、3作目の意匠返しであり、同時に「バンドを見つめ直す」「ソングライターとしての自分を見つめ直す」という部分も含んでたはずで、現にこの二枚組はタイアップのないセルフプロデュースなんですね。

6 kimino-me(+ ICHIRO YAMAGUCHI from SAKANACTION)「Cloud Only Love My Self Through Your Eyes」
サカナクション山口一郎さんとのコラボ。
ベボベはこの時期前後にサウンドにクラブっぽさとかダンスミュージックの要素を取り入れ出してるんですけど、一方サカナも「Aoi」なんかで山口さんがテレキャスター(小出さんがずっと使ってるギター)使い出したりしています。当時某匿名掲示板では「ベボベのサカナ化、サカナのベボベ化」とも。

7 檸檬タージュ「Precious Now Those Days, All A Blur」
歌詞の大元は小出祐介詩集の書き下ろし作品で、また手が加わってるそうなんですが、その本僕は買いそびれたのでわからないです 笑
そして「十字架You and I」と同時にこの曲が、小出さんの歌うベボベにとって「檸檬」というアイコンが出てくる最後の曲、となるはずでしたが7年の時を経て『光源』収録の「SHINE」で復活を果たします。この意味合いはとても重くて大きいと思ったので、いずれきっちり書きます。

8 Project Blue「胸いっぱいの、青を」
『CG』は自分の内面のことを掘り下げてる歌が多くて、次にレビューする『DB』は「君への思い」の曲なんです(ゆえにkimino-meは本来『CG』の曲)
前回から書いてる「小出さんのボーイミーツガールには続きがある」という話で、僕の君への想いと裏腹に君の想いは僕とは別のところにあるっていう話。僕は何をやっても「あの子はずっと死にたがってる」「あの子は僕じゃなく違う方向を向いてる」みたいな。
最後の逆再生は「凛としたブルー 鮮やかに海海に/凛としたブルー 鮮やかに僕を染めてくれ」と歌ってます。



アルバム『DETECTIVE BOYS』


1 クチビル・ディテクティヴ(+ acco + 呂布)「KISS→LIP→MOUTH→HEART」
色々楽しいところ満載だし、MVも楽しいし、例えば弾き語り風味とかじゃなくちゃんとアコギが効いたサウンドもこの曲が最初なんだけど、いっちばん最後のあっこさんの照れ笑いだけで、もう、最高ですよね。

2 Transfer Girl「August, Midnight, Moonlit, Poolside, RENDEZVOUS (What if you come...? What if you don't come...?)」
僕の記憶が確かなら、以前の人気投票の結果発表のニコ生において小出さんがトップ3予想してたのはこの曲だったかと思う。
心理的な別れでもなく、「死別」ではなく、「転校」という物理的に距離が離れて行くパターンですね。

3 BOYFRIEN℃「Killer Encounter」
なんにせよ湯浅さんのシャウト!これに尽きる、というかこの曲出たあたりで湯浅さんの前にマイクが置かれるようになったんですよ。昔の映像見たらマイクないですもん 笑

4 LOVESICK「All I Wanna Do Is See You」
関根さんメインボーカルであり、恒例のダブっぽいコーナーです。
関根さんのボーカルにモジュレーションみたいなゆらゆらする加工がかかってるのが特に印象的です。

5 WHITE ROOM「ふたり」
17年のツアーで小出さんが弾き語りしたんですけど、そこで歌われた曲です。
勝手なイメージは、エヴァで使徒と戦ったあとシンジくんが病室みたいなとこで目がさめるじゃないですか、あのイメージ。

6 星がほしい「Light Your Darkness-Must Be Strong-Make A World You Can Disappear To-Must Be Strong 」
本当は「CG」側の曲。君が好きじゃなくて、自分の心境の歌ですね。
聞き返してみて、この曲で歌ってることが実は「魔王」の真逆だなって思った。
「誰かを照らせるくらいの星が欲しい」と願わなくなった今、小出さんはバンドで、楽曲提供で、本当に明るい曲を作って、みんなが曲を聴いて感動してる。
「君のことを照らしたい」と願わなくなった小出さんに、みんなが光を感じてる。

7 歌ってるんだBaby. [1+1=new1 ver.]「What Is Fun? What Is Right?」
もともとスーパーカーのナカコーさんがill名義で2010年にリリースした『∀』で共作した「歌ってるんだBaby」があって、そっちではナカコーさんが歌って小出さんがラップしてるんですが、いつの間にか逆転していて、それを僕は後追いで知りました。

8 東京「胸いっぱいの、愛を」
「東京生まれ」という曲が2006年ごろにできて、それはラジオCMに使われた曲だったんですが収録されず、そのままお蔵入りになってこの曲のこういう形で収録されて、「東京生まれは後に「不思議な夜」のボーナスディスクに収録されています。

まとめ

3.5thアルバムの時期以後、「十字架You and I」なんかわかりやすいと思うんですけどドラムとベースの技量がものすごく上がっていって、最終的に『二十九歳』『C2』あたりになって、もうバンドのグルーヴ感とかバンドとしての構造思いっきり変わってるなってことにみんなが気がついたんですけど、下地はこの時期なんですよね。

で、はっきりいえば湯浅さんの脱退の根底はここなんじゃないかって思ってるのがまず一個。





2個目は、3.5thアルバムはひっさびさに使われた「過去のベボベの武器」が色々出たんですよ。関根さんメインボーカルとか、ギター持った女子高生とか。

その1番大きい面として、めっちゃヘビロテされた、ベボベといえばこれって未だに思う人も多い「檸檬」が、この後7年間ベボベの曲には出てこなくなったんですよね。そして7年ぶりの檸檬曲は「SHINE」という曲です。

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