読書感想文@2022.1.30

こんばんは。文学界の神童です。

1年ぶりくらいに本を読んだので読書感想文でも書いときます。


わたしが長らく書いてきた「だんちゃん、交通事故に遭う。」シリーズを読んでくださった方はわかると思うんですけど、わたし3週間ほど入院していまして。

それに際して3冊ほど読みましたので、この本たちを見たら入院生活を思い出したりするのかなぁ。



①『アルジャーノンに花束を』

何よりも強く感じられるのは全体に流れる不気味な雰囲気。

時代も国も違うんですよね。なんだか流れている観念も違えば文化的なものも何もかも違って。

そこに畳みかけるように、生物を無生物として扱うかのような空気感。

一冊を通して、無機質っぽい不気味さが漂っていたのが印象的でした。


うん、そういう楽しみ方じゃないよね普通。

ストーリーとしては、生とは何か、大切なものとは何かを考えさせるものになっています。

この本を読んだうえで、何に心を打たれるかは人それぞれだと思うけれど、生や大切なものと向き合うのは多くの人が共通なのかなぁと思います。

そして、物語の8分目からは怒涛のようにこの問いかけがやってきます。

残されたページ数、書籍の厚みに焦燥感を感じるような、心を揺さぶられ続けながらのドキドキが止まらないラストです。

個人的には、アリスの呼び方が変わる部分(伝われ、、!)が一番心をつかまれました。

ほんの一瞬だけしか交わらずにすれ違ってすり抜けていく、YOASOBIのハルジオンのMVの1番のサビ後みたいなね。YOASOBIオタクすみません。



②『深い河』

ともかく宗教。人生に行き詰まり、宗教に囚われる人々が描かれています。

正直なところ、ほとんど感情移入も理解もできなかった。何言ってるかわかんない。

ただ、ラストのシークエンスはなかなか目を見張るものがありました。

全体に暗く湿ってどんよりとした雰囲気が漂ってるのですが、ラストはテンポ感が一気に上がって、BPM70の曲がアウトロだけ120くらいになったような感じでした。最後の終わり方も衝撃的だったし。


超個人的には、めちゃめちゃ男遊びが激しくて愛を見失って満たされなさにもがき苦しむ美津子が、どことなくわたしを見ているようでおもしろかったです。美津子よろしくサディスティックサイコパスなので笑って見てました。

あと玉ねぎとカレー食べたい。



③『海をあげる』

じんわりとしたあたたかさが全体を包む一方、隠しきれないしたたかさがベースに見え隠れする一冊。

社会学的じゃなくて生物学的な「女性の強さ」をひしひしと感じるようでした。

したたかな慈愛というか。平穏な日常に対する強い愛情と執着というか。


わたしが特に気になったお話は2つ。

1つ目は、自分の口を自分で養えればなんとかなる、さらに人を大切にするやり方さえ学べば窮地に助けてくれる人はどんどん増える、というお話。

入院中だったので刺さる刺さる。ごはんの大切さは「だんちゃん、交通事故に遭う。」シリーズで書いたとおりだし、そこで手を差し伸べてくれた人もいたわけで。

わたしの大切にするものをド直球に突かれた感覚でした。

2つ目は、ホストのお話。彼のイメージがどんどん変わっていくというか、意外性がすごくて。ある種だまされたような感覚ね。

彼自身もそうだけど、彼みたいな人に耳を傾けるインタビュアーも、本当に心があたたかく痛みがわかる人なんだろうなぁとか、思ってみたり。



以上3冊レビューでした。

わたしって人と話しててもそうなんだけど、空気感に酔いしれるたちなんですよね。

もちろんちゃんと話は聞いて理解して覚えてるけど、一番楽しんでるのは雰囲気だしそこが先に来るっていうか。

なんで、本の持つ雰囲気多めのレビューになっちゃってますね。すでに読んだ方は共感してください!笑


全然境遇の違う人のお話だし、自分の何かに活かそうとかいうことはないけれど、

シンプルに全く違う誰かに深くダイブしてみるのはおもしろいですね。ダイブする感覚自体が。スキューバダイビングもこんな感じなのかな。

通話とかではじめましての方と1on1するみたいなね。あれよりだいぶ深くて時間に自由がきくし、いい娯楽ですね、読書って。


これからもまたちょっと違う海にダイブしてみよ。おすすめあったら教えてね。


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