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「『言葉の力』で社会を変えたい。」現役の高校国語教師 上田祥子、HASSYADAI.social理事就任の裏側

“公立高校の現役国語教師”という立場から社会に対して発信し、チャレンジし続ける人生。上田祥子さんは3年前からハッシャダイに関わり、公立高校の教師という枠に囚われず、多くの若者やビジネスパーソンへの国語教育を行っています。そして、2020年、一般社団法人HASSYADAI.socialの理事に就任。公立高校の国語教師である傍ら、なぜHASSYADAI.socialの理事に就任したのか。率直な言葉で語られた上田さんの想いを、広報きむりさがインタビューしました!

上田祥子さんのプロフィール

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上田祥子 (Sachiko Ueda) 東京学芸大学中学校教員養成課程国語科卒業後、 不動産ディベロッパーを経て専業主婦に。 2011年より公立高校勤務。 国語科、 進路指導部。 2016年JICA教師海外研修派遣。 SDGsにまつわる教科実践がメディアに取り上げられる。 2018年よりハッシャダイにて言語運用に関する新人研修講演プロボノ開始。 三女の母。
▼国語科でSDGsに取り組む。

学校現場に必要なメッセンジャーを応援したい。

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ー最初、どのようにしてハッシャダイに出会ったのですか?

公立高校で国語の教師として日々を送る中で「私たち教員にはまだ見えていない世界がある」と漠然と感じていたので、JICAの海外研修プログラムに応募したんです。そこで、海外の開発教育を学べば学ぶほど、日本の教育に危機感を覚え、より国内に目が向くようになりました。そんな時、たまたまヤンキーインターンを特集していたクローズアップ現代を見て、「私のやりたいことはこれだ。ここに集う非大卒の若者たちに『言葉の力』を知って欲しい!」って思ったんです。最初は、ヤンキーインターン生を募集するLINEのフォームから連絡しました...(笑)

▼上田さんがハッシャダイで行っている活動がこちら

ーHASSYADAI.socialのどういうところに魅力を感じましたか?

先生って所詮、大卒じゃないですか。大卒の先生たちがどんなに頑張っても、一部の生徒との間に、埋め難い溝があるんです。そんな中で、非大卒ながら、力強く自身の信じる道を選び続けている勝山さんや三浦さんのようなメッセンジャーが、学ぶことや教養を身につけることの大切さを伝えてくれる機会は本当に生徒たちにとって貴重です。自分たちの生き様をベースとして、全国の高校生たちに「CHOOSE YOUR LIFE」を届けるHASSYADAI.socialの活動は、本当に素晴らしいと思っています。

「怖い気持ちはポジティブ。」公務員としてソーシャルインパクトを起こしたい。


ー公立高校の教師でありながら、HASSYADAI.socialの理事として活動することは大変ではないのですか?

理事としての活動を続けることより、それを発信し続けることの方が大変です。黙って活動をしても良いのですが、それではソーシャルインパクトがないじゃないですか。最初は「何を言われても仕方ない・・・」という覚悟はしました。

3年前、ハッシャダイでの活動を始めた時はもちろん「怖い」という気持ちもあったので、周りの人に相談したところ「営利団体に組するだけでも、訓告ぐらいは覚悟した方がいいよ」と言われました。結局1年後には、産学連携のモデルケースとして取り上げられるようになるのですが...。

ー最初、周りからの反発もあったにもかかわらず、挑戦し続けた上田さんのモチベーションはどこから来ているのですか?

私、世界平和のために教育をやっているんです。だから「訓告や懲戒ぐらいはかすり傷」精神でいます。だって、ルールって変更されるじゃないですか。法に則っていて、かつ自分が正しいと信じること、素敵だなと思うことをやっていれば、必ず後から結果が着いて来る。もし信じて行っていることが今の常識やルールに合わなくて叱られたとするのなら、それは五年後、十年後にはネタになると思っていて。私は、今自分が罰を受けることよりも、その勇気に対して「自分も背中を押された」と言ってくれる人がいることの方が、素敵だなと思っています。

ーその中でも「やっぱり怖いな...」と思うことって、なかったんですか...!?

いやいや「怖い」という気持ちは常にあります。もっと言えば、毎日の授業だって怖いです。私は、よくFacebookで発信しているのですが、元々は好きで発信を始めたわけではないんです。「怖いけど、発信した方が自分にとっても社会にとってもプラスになるはず。」と思っているから、こうして発信を続けています。

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誰しも初めてのことをする時は、何かしらネガティブな気持ちになるじゃないですか。私は、そのネガティブな気持ちを言語化したときに「怖い」と「嫌だ」に分かれると思っています。「嫌だ」と思うなら全力で逃げれば良いのですが、「怖い」と思うならやった方が良いと思います。「怖い」という気持ちは、実はポジティブなんです。「誰かに悪く言われたらどうしよう...」「失敗したらどうしよう...」という想いのベースには、「やりたい」という気持ちがあるんです。だからこそ「怖い」と思う時は、ちょっと無理してでもやるようにしています。「『失敗』や『誰かからの悪口』は私を傷つけない」って選択しています。

「女性」の人生を、言葉の力で、よりチョイスフルなものに。HASSYADAI.socialに”別軸”を作りたい。

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もうひとつ「これだけは私が理事として活動する理由だ」と常に思っていることがあります。それは、女性のキャリア(轍)の多様性を認め合える社会創りに「言葉の力」で貢献したいということです

「選択格差」の課題について議論される時に日が当たるのって基本、男性なんです。実はその裏で、女性の選択格差が放置されているという現状があります。女性は「専業主婦」とか「カジテツ(家事手伝い)」というカテゴリーがあるから、どうしても日が当たりにくいのだと思います。私は、子どもを2人産んでから教員になっていて専業主婦の経験が長いので、専業主婦の選択肢が少ないことや専業主婦が最初から夢を見ないことに課題意識を持ちました。本来、ものすごく力がある人たちが自己肯定感を持てないことが、本当にもったいないなと思っているんです。もちろん、その役割に対して誇りを持ち、幸せだと感じる人たちはそれで良いのですが、そうではない人たちや、将来のキャリア選択に悩む女子生徒やビシネスパーソンに向けて、否定的なマインドセットが変わるきっかけになるような、そっと背中を押せるような、「言葉の力」を切り口に、そんな活動ができたらいいなと思っています。

また、「CHOOSE YOUR LIFE」な世界を目指すHASSYADAI.socialの理事に、ひとり女性がいて別軸で発信をすることで、もっと面白い組織になるのではないかとも感じています。

ー最後に、HASSYADAI.socialでの活動を通して実現したい未来を教えてください!

私が実現したい未来は2つあります。1つめは、国語の教師として「日本文化を学ぶことや言葉の力を身につけることによって、未来をより自由に、豊かに、チョイスフルに生きることが出来る」というメッセージを多くの人に伝え、腹落ちしてもらうことです。そして2つめは、女性が自分らしく、多様なキャリア選択をできるような社会の実現に貢献することです。

ー上田さん、ありがとうございました!今後も宜しくお願い致します!!

【お知らせ】
上田さんが、2020年9月25日、言葉の力と女性のキャリアについてのイベントに登壇します!

▼「言葉の力で未来を拓こう!女性の働き方~ワークライフバランス編~


■上田さんより一言
言葉という側面と女性のキャリアという側面で登壇する機会を初めていただきました。今、自分がチャレンジしてみたいテーマのイベントです!

【番外編】「教師はインフルエンサー」上田さんが”世界平和”のために教育をする理由

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ー上田さんが、先ほど「世界平和のために教育をしている」とおっしゃっていた理由が、どうしても知りたいです...!

変な話なんですけど、、笑。中学生の頃にトイレでトイレットペーパーを取った時にふと「私が生きているだけで、どれだけ地球上の木が伐採されるんだろう」と思ったんです。その時、「砂漠で木を植えるような人になりたい」と思いました。

そこから、私がひとりで木を一本一本植えても世界は変わらないなと考えるようになって。それなら「砂漠に木を植えたい」と思う人を100人育てたら世界が変わるんじゃないかなと思うようになりました。つまり世界に対して貢献しようと挑戦する人であろうとする人を育てたい。そんな人が一定数を超えたら、世界は平和になるのでは?!と信じて教育活動を行っている、そういう意味です。ちなみに今は、このように思ってくれる先生の仲間を100人作りたいという段階に居ます。

公務員が大きなことに挑戦するのはリスキーかもしれないですが、世の中を変える大事な要因になると思っています。本当は教師ってインフルエンサーなんです。常に未来を見て、毎日宝物を前に授業をするのですから。

END.

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