土用丑の日といえば伯母
エッセイの題材になってもらった伯母とは沢山の思い出がありますが、その中でも土用丑の日のエピソードは強烈です。
昨年はタイミングが合わず、投稿できず残念に思っていました。
今年の土用丑の日は7月30日と先程知りましたので、今日は伯母と鰻の話をさせてください🙌
お盆休みは同級生もいなくなるため、伯母の家に泊まりに行きます。妹も大きくなると一緒に泊まるようになりました。
従兄が受験生・私が小学生・妹が幼稚園の頃のある夏の日、伯母が
と言い出しました。
いつもは母親との外出を嫌がる従兄でしたが、伯母の提案が鰻で、しかも近所でも有名な店だったため、その時は「行く」と即決。
私と妹は「ウナギ♪ウナギ♪」と大喜び。
ジリジリと太陽が照りつける中を4人で出かけたのですが、高級店での鰻に浮かれ暑さも気になりません。
15分ほど歩いて汗だくの状態で到着した店は、ものすごく立派な日本家屋でした。門から入り口が見えないんです。
「すご~い」
涼しい店内での鰻、かぐわしい香りにフワフワと入ろうとした瞬間。
すごい形相で伯母に止められました。
「なんで?」
「だって黒塗りの車が続々来ている」
「大丈夫だよ」
「ここは徒歩で来てはいけない」
「大丈夫だって!」
「ダメよ!」
「大丈夫だようっ」
15分かけて歩いてきた私達は、確かに小汚かったかもしれない。でもあれだけ高級な鰻を食べさせると期待をふくらまさせておいて。
子ども達の抗議を無視し、伯母は立ち去ります。
従兄なんて受験の追い込みを中断して出かけたのでかなり殺気立っていました。
結局、その日の昼食はラーメン。
カウンターに並んで食べるラーメンはとても美味しかったです。
先日、伯母の思い出話をしようと従兄にその話を振ってみたのですが、
「知らない」
と一言。
あの時、一番文句を言っていたのに。
妹なんて「もう歩けない」と店の前でしゃがみ込んでいたのに。
幼かったせいか、全く覚えていないんです。
鰻屋の話は、いつも伯母との笑いながら話題にしていたのですが、あれは白昼夢だったのでしょうか?
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