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『ひとつ』に寄せていただいたコメント集。

新譜『ひとつ』を一足先に
聴いていただいた皆さんから
素敵なコメントを寄せて
いただきました。

2020年から準備を始め、
2021年1月から5月、沖縄県
那覇市首里にあるスタジオ
「パワーステーション」で
レコーディング、ミックス、
マスタリングを行い完成。
収録した10曲すべてソロの
弾き語りの一発録音です。
手にとっていただけたら、
これからずっと聴いていただける
「一生もの」の作品に
なったと自負しています。

ハシケン

2021年12月25日発売
・CD単体
・『ひとつ』完全版
・『ひとつ』ほぼ完全版
の3形態で下記の
ハシケン公式SHOPで販売中。

https://hasikenshop.base.ec/

『ひとつ』ジャケット
『ひとつ』裏ジャケット

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とてもプライベートな作品、
という印象を受けました。

初めて聴いたときに
浮かんできたのは、
夜、どこかの部屋の中、
一人で歌うハシケンさんの姿。
誰に聴かせるでもなく、
自分自身の為に
歌っているようなイメージでした。

けれど何度か聴いているうちに、
これはひょっとして、
私だけの為に歌ってくれているん
じゃないだろうか?
という気がしてきました。
そんなわけは無いので、
たぶん気のせいですが。

おそらくこうした時世の中で、
「歌」というものの在り方を
ハシケンさんはかなり考えられた
のではないかと想像します。

ステージの上で強烈な光を
放つのではなく、
ただ一人の聴き手に向けて
そっと手渡されるように歌われる歌。

お父さんに絵本を読んでもらっている
子どものような気持ちになりました。
とても好きなアルバムです。

青木薫(画家/イラストレーター)

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ハシケンの新譜を聴いた。

歌に身をゆだねるうちに、
心が鎮まってゆく。
生者のための鎮魂歌のよう。

潮の香りや風のにおいがした。
何か大きな存在、天と地に
抱かれているような
懐かしい心地よさ。

空の向こう、あの世とこの世、
過去現在未来、すべてに
繋がってゆく感覚。

心と体が一つになって
大切な何かを思い出してゆく。
ハシケンは歌の媒介者だと思った。

我を超えて、ただただ歌と
音楽に身を捧げた素晴らしいアルバムです。

リクオ(ミュージシャン)

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ハシケンさんは
シンガーで
ソングライターだと認識していた。
勿論間違いではないだろう。

しかしソングライター
なのでオリジナル曲の
イメージが圧倒的に強かった。
表現者は奇しくも
世界中同じ状況であった
コロナ禍に何を感じ、
何を伝えるのか?

今作は10曲中6曲が
カバーで4曲が
オリジナルで構成されている。

「シンガー」として
歌いたいカバー曲、
「ソングライター」として
伝えたいオリジナル曲を
アーティストハシケンが
プロデュースしている。
装飾は削ぎ落とされ、
コラージュが散りばめられた
42分の音楽作品として。

しかし、そのコラージュが
くるり、あいみょん、
ミッシェル・ガン・エレファントとは!

そしてコロナ禍に生まれた
オリジナル4曲の
素晴らしさに打ち震えてほしい。

ハシケンさん流の
ニュースタンダードである
今作は絶対に必要な音楽なのです。

ラジオDJ 栗田善太郎(BIGMOUTH)

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やわらかくて、クセになる。 
抑えた声は、ピアノの曲でさえ
高らかには歌わない。 
だけど、ものすごく
伝わってくるのです。

全曲を聴いてもう一度
聴きたくなったのは、
オリジナル「しあわせになろう」。 
優しげな歌詞に、
バッキングというより
サウンドの根幹に
さりげなく超絶技巧を駆使して、
ギター好きを唸らせる。
なんですか、コレは。
どうなっているの?

一方で、終盤のオリジナル
「苦い砂糖」できかせる
”ハシケン節”ともいえる
力強い歌はどのジャンルにも
分類しがたい鮮やかな個性を残す。 

一枚のアルバムで、
これだけ曲に振れ幅があっても
落ち着くのは、すべての曲が、
ハシケンさんの歌とギター
またはピアノとの一発録り
だからでしょうか。

結局、何回もリピートして
聴いています。 
クセになってしまいました。

江藤有希(ヴァイオリニスト/作編曲家)

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『3.11』から10年。
『コロナ禍』から約1年8ヶ月。
人が生と死をリアルに直面する時が
来るとは思いもよらなかった。

このアルバムは「BIRTHDAY」から
始まり「いきゅんにゃかな」で終わる。
「一生」をテーマにした映画だ。

遺書にも感じてしまうくらい
胸をえぐられる瞬間がある。

でも聴き終えると何だか心地よい感触が残る。
ベッドでズーっと横になっていたい感じだ。

今回のアルバムはカヴァー曲が半数以上だ。
1曲上げるなら3曲目の「ほしいもの」。

この感じ『ハシケン』だなぁ。

福島ピート幹夫(ミュージシャン)

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のびる道を駒送りで
どんどん進み近づいていった。

思うままの裸の言葉は
静かで丸く温かい。
隣で話してるみたいに
とても近くて正直だった。
ぐっと何かを堪えてる僕がいて
そんな自分がとても恥ずかしくなり
気づけば泣いてた。
詩を聴いてるのに逆に話を
聞いてもらってる感覚。

行きたい方へ自由に飛べる本を
眠る前に読んでもらっているような。
そんな安堵感に包まれました。


蝦名摩守俊(ミュージシャン)

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音楽だけに浸れる時間を、
ありがとうございます。

ハシケンさんの声が
なんだか懐かしくて、
涙が出そうになりました。

誰かと一緒にいることが
こんなに難しいことになるなんて
想像もしていなかったから、

新しい日常は少し窮屈ですが、
どうしても大切な人と
会いたくなったなら、
遠くのあの場所へ
行きたくなったなら、
ハシケンさんのうたを
聴こうと思います。

ハシケンさんは、
いつもそばにいてくれるから。

北原由美(南日本放送・ディレクター)

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最初に自宅にCDが届き
封を開けてこの物語が
始まりました。
丁寧に綴られた”コトバ”
を読み進めて行くうちに
スーッと心が静かになり
穏やかな湖に一粒、一粒と
音が響いていく。
時に切なく、時に嬉しく
そして、懐かしく
その波動はどこまでもどこまでも
懐かしく
見えなくなるまで続いてく…..
ふと目を覚ますと
その感情は全て
自分の中の物語だった。
ありがとうハシケンさん

森 拓斗(ミュージシャン)

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やさしい。
とにかくやさしい。
生まれて生きて死んでゆくわたしたちの
このどうしようもなさを。
一緒に泣いてくれるような。
まるごと包んでくれるような。
抱きしめていると思ったら
抱きしめられていたような。
ハシケンさんの弾き語りです。

あおきさとみ(カニアーティスト)

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ハシケンさんは、自分の好きなうたを、
好きなようにうたう。
好きなようにうたうから、
ハシケンさんのうたのようにうたう。
 
すでに他人がリリースしている曲を
歌うとカバーソングとなるが、
ハシケンさんの場合、いわゆる
カバーソングかというと、、、
それは違う。
 
多くのカバーソングがアレンジで
覆うことを常とするなら、
むしろハシケンさんは“剥ぎ取っていく”
ようなことをしている。
 
今回の新譜で言うと、そのあたりが
顕著なのは
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの
「世界の終わり」。
伝説のジャパニーズロックバンドの名曲を、
さらに剝き出しにしてくれている。

詞とメロディ。
その持っている美しさや力を縁取ったり、
露わにするハシケンさんのうた。
ハシケンさんのうたううたは、原初的で
本質的だ。
だから、ハシケンさんの“うた”に、
自作の曲とそうでない曲との境は無いに
等しい。
 
あいみょんの人気曲から、ジャパニーズ
ロック、ポップスの隠れた名曲、
オペラ生まれのジャズのスタンダード、
そして奄美のシマ唄まで、時代もスタイルも
異なる曲たちと、昨年作られたという
オリジナルの4曲。
その4曲をブリッジにするようにして
連なる全10曲は、つなぎ目が見当たらない。
だから、できれば、何かをする手と目を
休めて、この1枚に向き合うようにして
聞いて欲しい。
 
最近、ハシケンさんは、畑を耕すことも
生業にしているようだが、
こんな時代だからこそ、土や太陽に近い人の
営みに根付いた、ハシケンさんのうたの力に
期待したい。
 
屋形英貴(広島エフエム放送・プロデューサー)

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ハシケンさん、新しいCD完成おめでとうござ…
いや、ありがとうございます!!!

CDジャケット(?)に、
「映画を観る時のように準備を
済ませて聞いてみてほしい」
というようなことが書かれていて、
一瞬
「ちょっとだけ面倒くさいぞ」
という気持ちがよぎりました。
でもすぐに
「…やばい、かなり”現代”に
ヤラレているじゃん、私。」
と思い直し、そんな風に音楽を
聴く時間を作ることにしました。

妙に早く目が覚めてお天気が
良かったある日、私は絶好調でした。

なんと、冬の布団を洗って干して、
靴の整理も銀行の振込も楽器の
メンテも済ませて、久しぶりに
クラシックの曲を弾いちゃったり
なんかして、エアコンの奥の方の
拭き掃除まで
しっかりやってしまったのです!

満足して、ふと一息ついた瞬間
「あ、今だ。」
と、音楽を聴く時間が
来たことに気がついたのでした。

なぜなら、私が一番好きな、
午後に光が甘い黄色になって
植物たちがピカピカしている、
のどかなあの感じ、だったからです。

CDの詳しい内容は
他のコメント上手な
先輩方にまかせます。笑

私は、ハシケンさんから
「私は今、生きるって
こういうことだと思っている
んですけど、ベチコちゃんは
どうですか?」
と訊かれている気持ちになりました。

磯部舞子(バイオリニスト)

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ハシケンさんの新しい音楽を聴いている

例えばそっと寄り添う事が出来るような…

新しい世界に行ってしまったような…

意識は次元を行き来する旅だとしても…

それでもハシケンさんはとても近くにいる

上地gacha一也(ミュージシャン)

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スタートはファンでしたが、
ここ10年はバンドメンバーとして
ハシケンの音楽を体感しておりました私が、
久しぶりにファン目線(耳線?)で
楽しむ事のできた作品なのでした!
オリジナルでもカバーでも全てハシケン色。
ハシケンを未聴の方々には
特に聴いてもらいたいです。

スーパードラマー 伊藤大地

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ハシケンさんへ。
あなたと出会って20年と言う月日が
流れました。
お兄ちゃん的な存在で時に
お母さんみたいな存在なハシケンさん。
そんな時の流れの中、ハシケンさんは
自分と言うきちんとした居場所を
見つけたんだなと思うアルバムでした。
人は常に自分を見失う生き物だと思います。
素直にどこかとか誰かとかではなく
ハシケンというそのものが
見えそうな素敵なアルバムだとおもいました。
何度も何度も聞かせて頂きますね!
今日もハシケンみっけ!

元ちとせ(歌手)

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静から動まで。
現したい熱はこんなもんじゃない
物足りない、きっとまだまだ行ける。
音楽が表現できるもの。
こんなところじゃ収まらない
きっとまだまだ出来る。

ハシケンはずっと“うた”と向き合ってる。
出会ってからずっとそう感じ続けている。
今もむしろ若いときよりもっと強く感じている。

ときにそのエネルギーに面食らいながらも
抱擁されてしまう。

ハシケンの新しい作品を聴いた。

素晴らしいなあ。

ハシケン、音楽、言葉、聴いている自分、
生活、目に見えるもの、見えないもの、世界…。
境目がなくなってひとつになった。

それを“うた”と呼ぶんだろう。

河村博司(ミュージシャン)

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ハシケンさん、
新しいアルバム素晴らしいですね。
まるで一本の映画を観ているようでした。

オリジナル曲もカバー曲も
こだわり以外の一切が
削ぎ落とされることで、
より深い心の叫びが聞こえてきました。
大袈裟でなく、
もう南米やアフリカの巨匠達の域ですね。

去ってしまった人、
逝ってしまった人への
鎮魂歌なのは間違いないと思いますが、
私にとっては、置き去りにしてきた
自分自身の魂へのラメントとして
深く心に沁みました。

いや、
ほんとのほんとは
なんにも言わずに
ただ抱きしめたいアルバムです。

またご一緒させて下さいね。

太田惠資(ヴァイオリニスト)

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ハシケンさんはシンプルになっていく
どんどん身軽にシンプルになり旅を続けていく。
でも
一旦シンプルにならないと伝わらないものがある。

世の中は複雑で魑魅魍魎で
先が読めなくて不安で
いろんな人がいて豊かでだから
どこかで想いが繋がっている。

ハシケンさんは、先輩は、
きっと自分の半生を
かけてシンプルになり
それを思いっきり表現してくれている。

『ひとつ』はすごいアルバムだ。

ミュージシャン/俳優 浜野謙太

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全10曲を聴き終えて、波間に漂うような
「ゆらぎ」を感じました。
アルバムと一緒に送っていただいた冊子の
冒頭に「全て準備を整えて通しで聴いてください」と
書いていらっしゃいますが、そうする事で
心が解きほぐされたような気分です。

収録されているカバー曲も、奄美の島唄ですら、
全てハシケンさんの色に染まり、完全にハシケンさんの
曲になっていました。

個人的には、オリジナル曲の
「光の速さで会いに来て」が
好きでした。
亡くなった人の魂が蝶になって
戻って来るという話には、
しみじみと胸に感じるものがありました。

コロナ禍で人と会うのをためらったり、
外出もままならなかったり、閉塞感を
感じている人も多いと思いますが、
そんな今にふさわしいアルバムだと思います。

MBCラジオ 城山スズメパーソナリティー
釆野吉洋

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静かな夜に42分、
朝陽のなかで42分、
心をめくるように
聴ききました。

ハシケンさんのお声を聴くと
いつも、ふわっと浮かぶのが
黄金色のスープに漂うちぢれ麺。
すすっても、すすっても
寄り添うお出汁の心地良さ。

今回もキラキラ光る一杯でした。
ご馳走さまでした。

そして大事を大事に!
ちゃんと大事に!いこう!!
コロナ禍で会いたい人に
会えない日々のなか
大切な人に想いを馳せる
温かな時間を頂きました。

MBCラジオ 城山スズメパーソナリティー
笹田美樹

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誰かのカバーをして世に出すのは
本当に勇気がいると思うのですが、
ハシケンさんの選曲にはいつも
どきっ!としてわぉ!ってなります。

「うたをうたう」ってことが
どれだけ難しいことか。
繊細で大胆なことか。
でもそんなことはちっとも関係なく、
軽やかに凛として弾き語る
ハシケンさんの姿が目の前に
じわじわと浮かび上がってくる、
そんな贅沢なアルバムです。
波の音や虫の声に耳を澄ます
みたいに、心を澄まして
ぜひ聴いてください!

我那覇美奈(ミュージシャン)

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とても優しく、
時として力強さもありながら、
どこか切ない、
恋しい、懐かしい、様々な
思いを引き出させてくれます。

ハシケンさんの暖かい歌声と
心地よいギターの音色が
シンプルながらも一気に
優しい気持ちにしてくれました。
この作品は是非、静かに心を
無にして聞いて頂きたい。
それぞれの曲の持つ不思議な
暖かさがじわっと溢れ出てきます。

前山真吾(奄美シマ唄 唄者)

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言葉の一つ一つが、ふわっふわっと
浮かび上がってきて、情景が見えてくる、
そんなアルバムでした

素敵ですね

多くの方に、聴いて頂けますよう、願ってます

里アンナ(アーティスト)

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言葉の丸さ。
いつものハシケンと違うことに気付く。
浮遊してるよな抜けた音色。
なんと楽な呼吸かしら、と。
聴いている側も自然と楽に呼吸できる。

カバーが6曲。しかしサマータイム以外、
原曲を知らんの。
ライナーノーツを見ずに
聴いてしまったのもあるが、

全て彼の言葉で丸く変換される。

こないに高らかに歌えたら
気持ち良かろ、と民謡までに
及ぶ豊かな発声法。

今回は突き抜ける歌声ではなく、
力強さも体温内。
声と同じよな波形の楽器を伴い、
波が来たり、遠くに
人がいってしまったりする。

内緒話してるよなテンポで
最後まで聴いてもた。

次にハシケンにお逢いしたらば、
なぜか、んぽぽ、と頬を
赤てしまうかもしれん。

伊藤せい子(ミュージシャン、
大阪『ムジカジャポニカ』オーナー)

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ハシケン殿 
私がハシケン音楽と出会ってから
26年経ちました。 
この最新の音は、最初から
感じていたダイナミズムが、 
ギター1本、ピアノ1本、
そして歌がひとつ、その中に
確実に存在しています。
それもすごく大きくなって。 
このアルバムは映画を観るように、
最初から最後まで 一気に聴く音楽です。

そして失ったものは失われてはいない、
大事なものも、人の命も含めて。 
そう感じます。 
それこそ、歌を唄う人が
目の前に居るといういことなのです。 
そっちがこっちに在るように。
こっちがそっちに往くように。

鈴木慶一

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やわらかな優しさに包まれた歌たち
静寂の中で熱く響く魂の声

一村さんも、ハシケンも、
奄美に辿り着いたことで見つけた、
大切な宝物

ずっと聴いていたい歌たちに
心からの「ありがとう」を!

大塚まさじ(ミュージシャン)

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すみません!
いきなり私事でアレなんですが‥
50歳手前のこのコロナ禍の中で
(しかも罹患して)
色々なモノをリセットせざるを得ず、
ええ歳こいて不安に慄くわけなん
ですけれども〜そんな時に
ハシケンさんが優しく歌ってくれましたよ。
もっともっとしあわせになろう〜うう‥

ハシケンさん!僕、しあわせになります!

ケイタイモ(ミュージシャン / 漫画家 )
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やわらかくて、あったかい。
大好きなむせび泣くよな節回し。 
また、ケンちゃんに、ひきづりこまれました。

鈴木 將春(ミュージシャン / 
秩父「ホンキートンク」マスター)

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ハシケンさんのライブを
最後に観たのはロンドンでした。
ハシケンさんが声を発した瞬間、
閉ざされた地下のライブハウスに

氣持ちのいい風が吹いたのを感じました。
あれは僕が日本人だから感じたのではなく、
ハシケンさんの歌声が呼び込んだ、
あの場に居たみんなが感じた風でした。

今回の新譜にも風を感じました。
空間も時代も違うどこか異国の、
それでいて懐かしい風。
「行ったことがないのに懐かしいというのは、
相反しててちょうど『苦い砂糖』みたいだな。
文化も国境も時代さえ超えちゃうって、
普遍性の証だよな。普遍の歌声、、、」

なんて、アルバムを聴きながらぼんやりと
考えたのもつかの間、またすぐに心地よい
風の中に身をゆだねていました。

ケッチ!(元が~まるちょば)
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ハシケンさんから
新しく出されるCDが届いた。
届いたのは少し前だったけれど
ようやく昨日聴くことができた。

もちろん届いてから
昨日まで聴こうと思えば
聴けたのだけどなんだか
ずっと忙しくて慌ただしい
日々だったのだ。

なんとなくこのアルバムはゆっくりと
何にもない日に聴きたいなと思った。

それで昨日。
アルバム全編をゆっくりと
最初から最後まで聴いた。
そしてその後も繰り返した。

こんな風にアルバム全編を
聴き通すのも久しぶりのような気がした。
そんなことをしたのはずっと前のような気がする。
そのことに気がついてまず驚いた。

もちろん音楽はずっと好きで
今も好きで毎日聞いているのだけど、
聴くのは曲単位でアルバム単位では
なくなってきた気がする。

僕はどちらからというと
のんびりした生活を送っている方だと思うけれど、

それでもいつの間にかに
音楽だけでなく生活全般が
断片的になっていたのだ。
時間の連続の中から
生まれるものが豊かなだけに
このことは少し寂しい。

そんな時にこのハシケンさんの
アルバムはとても効く。
最近、ハシケンさんが農業に
関わっていらっしゃることも
関係あるのかもしれないけれど、
このアルバムを聴いていると
とても長い時間の中に
身をゆだねるような感覚になるのだ。

急がなくていいんだよ、と教えてくれる。
そのほかにも色々と教えてくれる。
大声を張り上げなくてもちゃんと伝わるんだよ、
とかそういうことを。

最近思うのだけど。
昔は大きな音で鳴らすのが
ロックだと思っていた。

でも今の世の中では
小さな声で自分のペースで
ゆっくりと歌うことが
ロックなのかなと。

なぜかというとそっちの方が
社会が求めてくるものに
対して自由なスタンスだから。

だからハシケンさんは今も昔もずっと
ロックンローラーなんだと思う。

近藤康平(ライブペインティング/ 絵描き)

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いい汗かいて、たまに冷や汗もかいて
一日が終わる。
そばに誰かいて欲しいなぁと思う時、
この伸びた髭も手に付いた土も、
日々の生活の証。色々あるけど、
生きるのって意外と悪くないよね、
ハシケンさん。

Tuck Hersey(ラジオDJ)

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同じ世界に生きていても
それぞれに流れる時間は違い、
見えている世界も違う。
ハシケンさんのアルバムを
聴いた時、自分はなんと
せわしなく生きている
んだろうかと思い、
正直はじめ距離を
感じたのですが、聴き入り、
引き込まれていくうちに気づくとまる
で光の速さでハシケンさんの
居る島に流れる穏やかな時間の
流れと合流するのである。
これが唄や音楽の持つ力。

永山愛樹(TURTLE ISLAND,ALKDO,
橋の下世界音楽祭)

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オリジナルはもとよりカバー曲も、
ハシケンが自身とじっくり向き合う中から
生まれてきた言葉と歌声をていねいに
つむぎ合わせ、その世界観にもっとも
ふさわしいアレンジとサウンド(音響)を
選び抜いて作り込んだ、手をかけた一点ものの
逸品ぞろいという印象だ。

従来のハシケンの持ち味のひとつでもあった
セクシーさやエネルギッシュさとはまた違った、
びいどろ細工のように繊細で透明で、
それでいてしなやかな力強さを内包した
歌の数々が楽しめる。
グラス片手に夜ひとり、ヘッドフォンを
耳に埋めて浸りたい一枚。

沖縄イベント情報誌・箆柄暦編集室

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東京をはじめいろいろな場所で仕事する、住む、飲みに行く、遊ぶ。そんなことを物心ついてからずーっと続けていると、根無し草根性というか、どこでも生きていけるかもしれないといった耐性のようなものが付きます。ひとつの考え方に囚われたり囚われなかったり、多くの人と多くの考え方に出会い、そのどれもが面白いと思えるような日々になっていく。そしてその日々をどう受け取るのか。それが人々の機嫌をつくるという事なのではないか。そんなふうに思いながら僕は大人になっていった気がします。

ものを売ったり、納期を守ったり、畑を耕したり、車を整備したり、システムをプログラムしたり、プロパンガスのボンベを交換するのと同じように音楽をつくり歌い旅する。それが音楽家の生きる様子であります。職業には関係なく時代の流れに影響され僕らは今を生きているわけであります。しかしながら時代性などという言葉は100年後には誰も彼もあとかたもなく消えるという事実の前ではなんの意味も持たないものかもしれません。どんなに身を削ったところで一人の人間に出来ることなどたかがしれています。

じゃあなんで生きてるのか。何かをし続ける事だけが僕らを癒やすからなのだと思います。立ち止まればいろいろな不都合が僕らを取り囲むでしょう。音楽を職業にしている人にとってみれば、唯一の精神安定剤などと呼べるものが制作することであり演奏することなのであります。究極的には誰がなんと言おうと出来上がったもの・奏でるもの・歌うもの・これらが音楽家の存在意義なのでしょう。サガというか業というか、呼吸をするようにつくり続けざるを得ない。それは経済活動とは遠く離れてただただそうなのだと思います。ときには迷う事や絶望する事さえも嬉しかったりする職業でもあります。

今日、横浜に用事があって福生から下道を使って走りながら新しいハシケンを聴いています。僕が20代のころ山形の山奥の温泉地で初めてハシケンと出会いました。温泉なのでもちろんお互い裸であります。大きな岩の上で隠すところを隠そうともせずただただぼーっとリラックスしているハシケンの姿を良く覚えています。その後、20数年ほどかけていろんな場所で生活し、多くの人と出会い、日々を考え、歌を作り、歌い、その果てに

音楽をつくるときに肩から荷をおろすような演出をする事はいくらでも可能だけれども、このハシケンの新しい音楽は荷をおろした瞬間を上手に記録したドキュメンタリーフィルムなのではないかと勝手に思いながら聴いております。仕事柄、病に侵されたように新しい音楽の響きを探してしまう佐藤五魚の音楽生活。そんな僕とは対象的。羨ましくは無いけれど。いやちょっとだけ羨ましいかも。

いま、佐藤五魚は長野県の山中でこの文章を書いております。来週は福岡に戻ってまたその場所で生活が始まります。同じ場所に七年以上住んだ事が無い根無し草根性というか、どこにいても外来種というか、そんな僕を笑わずに見守ってくれるハシケンの新しい音楽であります。

佐藤五魚  1968年生まれ(作曲家・編曲家)

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1人で読んでいた本を
誰かが傍で読み聞かせてくれる。
それまで読んでいた形から
すっかり姿を変えて、新しい顔を覗かせる。

またひとつその物語が好きになる
そんな贅沢さをハシケンさんの声で、
それも歌で聴けるよろこび!
ひとつ、
いつまでも穏やかな風が吹き続けますように

中村佳穂

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ハシケンさんの歌声には、
どこまでも遠く、
どこまでも果てしないものと
小さな小さな心の隅っこの
隠しておきたい何かに
そっと語りかけるそれと、
大きく分けてふたつある。

今回の新譜には、
そっと優しく静かに確かに届けられる
ささやかなものが、ふんだんに存在していた。

じっくり歳を重ねた人の、
大切なものをお裾分けしてもらえた気分です。

河瀨直美(映画監督)

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最後まで読んでいただきありがとうございます。 良かったらまた遊びに来てください。「スキ」を押していただけると素直にうれしいです。感想とかも気軽にコメントしてください。サポートで頂いたものは貯めておきます。次なる旅のために。