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何が嫌なの? 表現するってむずいよねって話

長男が風邪っぽく、小児科で錠剤の薬をもらってきた時のこと。
とにかく薬が飲めない。
あーでもない、こーでもない、終いにはアニメ見てぽけーっとしている。笑

僕「薬を飲むことの何がいやなの?」
息子「うーん・・・・・・・・・・・・・」くねくね~ピョンピョン凹凸
心の声「全力で無理感は伝わるけど、何が言いたいの??笑」

僕「味が嫌? 薬が嫌? 怖い? うまく飲み込めない?」
息子「どうやっても飲み込めない」
僕「よし! すりつぶして粉で飲もう!」
息子「明日も粉にしてくれる?」

ざわつきポイント

・どうやっても無理!を非言語で表現している
・伝えたいけど言葉で表現できない(語彙力なし)
・体験して行動が変わった
・最後は伝えることができた
表現できるようになる過程ってこんな学習サイクルなのか!!

どう言葉にしていいのかわからない!

普段の生活の中でもよく聞くこの言葉。
確かに感じていることはあるのだけど、それを説明する言葉がわからない。
といったところでしょうか。

表現を獲得するためには
①感覚・感情の認識
②語彙・文法の習得
③表現方法の学習
④表現の場
⑤表現の練習

といった感じの流れが必要になってくるようです。

今回の息子の事例で考えてみましょう。

①薬が飲み込めないから嫌だなぁ。最悪だ・・・(心の声)
②「うまく飲み込めない?」→こんな言い方があるのか!
③飲み込めない。状況を「どうやっても」で修飾してみる
④父と息子だけで他からちゃちゃを入れられない環境設定
⑤「明日も粉にしてほしい」→成功体験から更に表現して希望を伝える

表現獲得の過程に当てはめていくと、要素としてはこんな感じ。

今回、息子の様子を見ていて、嫌だなぁ・・・という感情が非言語表現(くねくね・ピョンピョン・絶望の表情)から見て取れました。
これがなかったらスルーして、「苦いけど頑張って早く飲んじゃえ!」と言っていたかも。

つまり、彼はこんなときにどんな言葉を使って表現したらいいのかわからないから、全力の非言語的コミュニケーションをつかって”しゃべって”いたんですね。

言葉でしゃべる以外にも、人間は顔でしゃべる、身体でしゃべることができるんです。
表現されている今の瞬間に集中して見る・聞く・意識を傾けることの大切さを教えてもらった気がします。

息子には、逃げずに表現することがとても大切なこと。
感じて言葉にできることは、スルーせずに言葉で伝えることが大切なこと。
をガッツリ伝えました!

大人になっても出来ない人は多いけど、今から彼が気づいて取り組み始めたとしたら、あと何十年練習できることか。
こんな資産をたくさん貯めさせてあげたいものです!

メラビアンの法則

皆さんはこの法則を聞いたことがあるでしょうか?
言語的・非言語的コミュニケーションの割合を研究したもので、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱したものです。

言語的コミュニケーション:文字や言葉を使って伝えるもの
非言語的コミュニケーション:2種類に分けられる
1、聴覚情報:声のトーン・話す速さ・声量など
2、視覚情報:表情・身振り手振り・姿勢・態度など

コミュニケーションで3種類の情報がどのような割合で優先されるか?
言語情報:7%
聴覚情報:38%
視覚情報:55%
人間が相手の意図を汲み取ったり理解するうえで非言語的な部分が大半を占めることがわかります。

言語情報は7%しか伝わらないから、直接会って身振り手振りや声色で伝えなければ伝わらない。という誤解がよくありますがそうではありません。

この研究のテーマは、
一連の言語・聴覚・視覚の情報で矛盾したものがあった場合に何が優先されるのか?です。
つまり、情報の伝わりやすさではなく、優先されやすさである点に注意してください。

この法則は一人歩きをはじめ、どんな状況でも 非 言 語 コミュニケーションの割合がノン バー バル93%であるというふうに捉える人々がでてきた。これには、Mehrabian 自身がつぎのように警鐘を鳴らしている。

https://niu.repo.nii.ac.jp/record/750/files/RN08-005.pdf
非言語的コミュニケーションと周辺言語の研究論文

納得いかないような眉間にシワの寄った表情で「よく頑張ってくれたね!」と言われたときを考えてみましょう。
・眉間にシワの表情=マイナス印象の視覚情報
・「よく頑張ってくれたね!」=プラス印象の言語情報

この場合、視覚情報が優先されて満足いかない頑張りだったと捉えられる可能性が高いです。
表情も使う言葉も自己一致した表現を使うのはとっても大切です。

なぜかそのつもりがなくても、違う捉え方をされてしまう。といったことがよくある方。
それはもしかすると使っている言葉と、視覚・聴覚で感じる情報とが一致していないかもしれません!

僕のおすすめの練習方法は、録画や録音で自分の話し方を分析すること!
自分を客観的に見つめ直すことができて、かなり勉強になります♪

身近に当たり前に会話で使っている能力ですが、原理原則を知って使いこなせたとしたら、強い味方になるのではないでしょうか。

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