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年度末に考える、コミュニケーションの難しさ


人事異動の時の心境


2年前の話。

8月にスタートアップ支援の部署が拡大し、他部署から何人か配置転換されることになった。

僕も別部門にいたが、そのタイミングでスタートアップ支援の部署に異動することになった。

スタートアップ支援は産業振興施策の中でも一丁目一番地となっており、予算の規模も大きく内外からもかなり注目される分野であったし、その注目度は年々増しており、今は全国的にも割と知名度が高くなったのではないか??

異動の内示が出た後に実際の異動まで2週間ほどあったと記憶しているが、その間に県庁内のいろんな職員の人から励ましや応援の声を貰った。

ここで、そういう声を聞いて自分はどう感じたか???である。

全然嬉しくなかった。

周りの気持ちはありがたかったが、その当時の自分にはじゃない感がすごかった。

妻が第二子を妊娠していたが、妊娠早々に切迫流産(流産一歩手前で胎児がお腹の中で不安定な状態)になり、入退院を繰り返していた。長女も妻が家に不在がちなことに不安感を抱いており、家庭ではいつも通りであったものの、保育園では寂しそうで、保育士の側を離れられないことも目立っていた。

家庭の事情を考えると、そのタイミングでの異動はマズかった。

なので、異動の内示を伝えられた際には、上司に『本当に異動しないとマズイですか??』と聞き返したことは鮮明に覚えている。


一番嬉しかった言葉


この先、家族がどうなってしまうのだろうか??と常に不安に駆られていた。そんな最中、一番嬉しかった言葉は、隣のグループの殆ど話したことがなかったグループ長が言った

「大変だね」

である。シンプルであるが、言われた瞬間に、心が軽くなった。自分の境遇や心境を完全に捉えていた。

そのグループ長に自分の状況を直接話したことはなかったのであるが、風の噂で私の状況を聞いていたのであろう。色んな説明を一切してないのに、自分が求めていた言葉を発してくれたことが凄くありがたかった。というか、「大変だね」と言われるまで自分自身がその言葉を求めている事自体気づいていなかった。上手く言語化出来ていなかった、心の中のモヤモヤを簡潔に表現して貰えたことが凄く気持ちよかった。

コミュニケーションってムズい

このことから自分が感じた、円滑なコミュニケーションをする上での必要条件とは、

  • 相手の境遇に関して正しい情報を得ていること

  • 相手の境遇を踏まえて相手の感情を推し量ること

  • その類推した感情が相手の感情とマッチしていること

である。大前提として自分は全く出来ていない。芯を食った言葉を言うためには、他者に対する気配りや鋭い観察眼が必要で、自分にはその能力が不足しているし、身の回りにいる全ての人の境遇や心情を理解することは非常に難しい。


次に円滑なコミュニーケーションの実行フェーズについて考える。大前提として自分は全くできていないが、相手の状況を推察して行動を起こす、ことは多少なりともやっている。その経験と自分が感じたことを擦り合わせて考えていきたい。

タイミング

 相手が話しても良い状況(忙しくない、家庭の状況が切羽詰まってない、相手のことが嫌じゃない)出ときに話しかける。じゃないと、相手は聞く耳を持てないし、良いことでも面倒臭く感じてしまう。どんなことでもタイミングが大事だ。

第一声

最初に話す言葉で相手の心に触れる、ことが大事。最初に相手の状況を探る→相手の状況を踏まえて発言する、をやりたくなりがちだが,その探索フェーズをすっ飛ばして相手に寄り添う言葉を話せるのはかなり高度だけど、出来るようになりたい(願望)。

勇気

行動を起こす為の勇気、である。前二項は相手に主眼が置かれているが完全に自分に主眼を置くもの。相手への事前情報が不足している状況が多い。場合によっては、自分が発した言葉が全く的外れになってしまう可能性もある。そのリスク背負いながら敢えて発することで、相手との関係性を一気に深めることができる。

組織の中で仕事をしていくには、周囲との人間関係は言わずもがな重要である。普段の仕事においてもだし、その関係性が人間である以上、人事評価にや人事異動にも直結していく。年度末はこの現実を強く感じる時期である。

良い人間関係を築くための円滑なコミュニケーション、が出来るように来年度も精進していきたい。


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