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啼き声は闇に溶ける ② 斎藤緋七

9か月前

以前、鍋を食べに行った時に横のテーブルには家族が居た。なかなか鍋のうどんを掴めない子ども。滑らせて何回も汁を跳ねさせていた。そんな子どもを観て父親が「欲張りすぎや。うどんは逃げへんから、一本一本掴めば取れる。」と言った。それからその子どもが汁を飛ばすことはなくなった。僕もひとつずつ掴もうと思った。