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ふいに野性に返り咲いた犬歯が濃い口の表面をがっと穿つと氷砕船の如き荒々しさで容赦なく分け入り、あられもない香ばしき大陸を粉々に打ち砕いた。睦み合う謂れを失った醤油色の瓦礫が未だ独立性を懇願しながらも後続の歯牙共に矢継ぎ早に噛み砕かれ、憐れな藻屑と化していく。歯が煎餅を襲ったのだ。