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一日一鼓【2月】

¥100

出会いは塾のバイトだった。 頭は良いけど、どこかぼんやりしていて。 つまり考えていることが掴めない。 そんな彼女が夜、講師室でうたた寝していて ハッと意識が戻った彼女とバッチリ目が合った。 その瞬間に見せた表情は今でも忘れない。 あの音を人は人生で一体何回聞くのだろうか。

うるさくて、楽しくて、苦くて、ざらざらしている。 神秘との出会いだった。 2年前の春。 トンっという音が確かに耳に響いた。 まるで、金槌で釘を打つような 釘が心臓にのめり込むような、そんな音。 彼女と目が合って聞こえたその音に 一番驚いていたのは、他でもない俺自身だった。