霧をつかむよりは蔦を探る人間だから蔦に触れられる時を待っていた。 今回も、また。 蔦に触れないと踏み出せないのが俺の弱さだった。 でも、あと一歩… 何かがあれば、蔦を掴みさえすれば そう思っていた。 一足先に結婚した彼と会ったあの日から 俺の“蔦探し”が始まった。