「患者達は決して言葉を聴かない。人間のひびきだけを聴く」
彼女〔志村ふくみ〕にとってリルケは過去の詩人ではなかった。ひとたび心に向かって眼を開ければいつでも語り得る友にほかならない。
人の心に映るすべての生命の存在を凝視する、高い視点から生まれる思いが、詩心であり、これを源にして、言葉になれば詩であり、形になれば絵になり彫刻になるのだと思う。〔…〕表現手段の違いだけがあって、〔…〕別なものとして分けられるものではない