父のことをよく言えば少年の心をいつまでも忘れない人だった。まだヨチヨチの幼児にわざとセロハンテープを手にくっつけてゴミ箱まで捨てに行かせ泣かせたり、息子が幼い時にはヘビに似た木の枝で怖がらせたりした。あくびをすれば口に指を入れ膝を後ろから折ってくる。さすがに老いたらしなくなった。