目標も動機も見つからないボクらの世代のための革命の物語『テンプリズム』

目標も動機も見つからないボクらの世代のための革命の物語『テンプリズム』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部) 【レビュアー/佐渡島庸平】 ファンタジーが切り取った現代の若者たちのリアリティ 作家がぽろっと言った一言が、心の中になぜかずっと残り、その言葉の意味を後日、深く理解するということはよくある。 「僕にとっては、大吾とか昴のほうが、ずっとファンタジーで、『テンプリズム』のほうが現実なんだけどな」 僕は、曽田さんのその一言がずっと心に残っていた。 そして、最近、その意味が分かってくるよ

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40歳を過ぎた「老人」を消し去るシステムが生みだす経済成長とそれぞれの正義『テンプリズム』

40歳を過ぎた「老人」を消し去るシステムが生みだす経済成長とそれぞれの正義『テンプリズム』

老人と若者、豊かさと環境「文明の衝突」が始まる 人間が「神話」を求めるのは社会に不満があるとき。為政者が「英雄」を求めるのは、説明の難しいルールを人びとに根付かせようとしているとき。「文明」が衝突すれば、そこにはふたつの正義があらわれ、それぞれの正義が歴史を生みだす。 『テンプリズム』が面白い。何が面白いって、曽田正人が「文明の衝突」を描いている。正義と正義の衝突を描いている。曽田正人は「ライタイト」が代表する文明(骨の国)に、若者を重視し、社会は進歩し続け、自然をコント

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「テンプリズム」一気読み!

「テンプリズム」一気読み!

佐渡島さんオススメの「テンプリズム」、ようやく全12巻一気読みしました(遅すぎですね)。 「アルスラーン戦記」もそうですが、思い悩む王子が主人公。能力の高い忠臣と絶命する傅役の動き方は違ってきますが。高度な文明の退廃の果てにあるファンタジーという舞台仕立ては「バスタード 暗黒の破壊神」を思い出しました。 終わり方について、巷ではいろいろ言われてます。私自身はそうしたバイアスもありながら読み進めたため、壮大な世界観や伏線に胸踊らされた前半からまるで恋愛小説のような1

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