【詩】宝石の詩

その瞬間たしかに存在して、
明確な現実としてそこにあって、
悠久の時の流れの中でやがて、
一切の痕跡も残さずに消えていくなら、
やはりどう考えても僕たちは光だと思う。

砕け散っていく宝石は
生き続けることと、
死んでしまうことと、
新しく生まれることを同時にやっている。
小さくて新しい破片たちが
乱反射する光を飛び散らせた一瞬が僕たちで、
暗闇の中ならただの石ころだったのに、
どうしようもなく、差し込んでくる光に求められてしまった。
お互いの顔が見えたから別れが生じる。
自然現象は無邪気だから美しいよねって、
それだけ確認してすれ違っていくんだ。
どんなに弱々しくても、
全ての光は宇宙を目指していく光線。

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